余談雑談 2013年5月11日

今年も太っ腹の友人のご厚意でイタリア映画祭に行って来た。

見たのは二本。「来る日も来る日も」(2012)去年<番外編>でも取り上げた「はじめての大切なもの」の監督の新作。同棲6年目のカップルが赤ん坊が欲しいと、日夜、色々と励むコメディ。ところが演出が安定せず、一貫性もないので、どうにも不発の作品。

もう一本。「リアリティー」(2012)ナポリの下町で魚屋を営みつつ、せこい詐欺までして生きている家族持ちのポジティヴ中年男が、素人参加番組の二次オーデションまで行ったことから起きる悲喜劇。

いかにもラテン男らしい、市井の人間が、家族や親戚に才能があると言われていたことから、自分は有名タレントになるはずだと考え行動していく姿を追って行くが、これが滅法怖い。要は、次第に精神を病んでいくのだ。

個人的にイタリアの知人で、主人公に容姿が似ている奴がいるので、彼にダブってしまい、ヘンな感情移入をしたのかもしれないが、それでも立派な作品。

今年は二本だけだったが、毎年、このイタリア映画祭は単純な作品がなく、どうにも選択肢に疑問が残る。確かに社会や人間性をえぐる作品が好きな人間も多いだろうが、それでもどうにも偏っているという印象がする。

上映作品の何本かは配給会社も決まり公開されるものもあるが、個人的に気に入った作品はスルーされる。

やはり、イタリア映画に関しても、こちらの趣味が偏り過ぎているということか。

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