余談雑談 2014年3月22日

時々、ここで取り上げる『わが心最高の酒場』。最長電波塔の程近くで、すぐ近くには荒川が流れる。先立て、そこへ友人と二人で真っ昼間から飲みに出掛けた。

ところが、その店を半世紀以上も守ってきたおかあさんが、大腿部骨折で入院していた。昨年、山形の実家を親族が手放し、以後、元気がなかった。それまでが元気過ぎるほど元気だったので、その落ち込み様は、嫌な感じがしていた。

一ヶ月は入院だと、独りで店を守っていた娘さんが、少し疲れた態で言っていた。歳も歳だし、再び店に立てるのだろうか。

そんな自分の気配を察して、同行の友人が河岸を変えようと誘ってきた。断る理由はない。

その友人は、自分が肩の骨折で入院した折、同室だった人物。しかし、その方は、抗ガン治療であった。

以後、懇意にしていただいているが、何と、それ以後、二度もガンを再発しているのに生還している、ある意味、奇跡の人。

こちらの地元に戻って、聞き及んでいたが入ったことのない居酒屋へ行った。そこは、すべてが300円均一。中華がメインで、韓国系や枝豆など50種。申し訳程度に盛られてくるのだろうと。

ところが、出てきた品々を見て、二人して驚嘆した。ちゃんと一人前の量で、料理のばらつきはあるが、味付けもしっかりしていた。どうしたら、こんなビジネスが立ち行くのかと友人は、目を輝かせながら、社長に会いたいと言い出した。

様々な職業を経験し、やっと社長業をする時期にガンを発症し、後の二回も、立ち上げた仕事が荒波にもまれている時期に再発した御仁。

まったく、未だにそんな起業家の性格だから、性懲りもなく再発するのだと、相手の気持ちも察せず放言。貰った命だし、余生は出家だよな、とも付け加える嫌味さ加減が勝る自分。

何せ、三度もガンから生還した人物の説法は、それだけで有難いし、説得力があるんだから。

それにしても、おかあさんと元社長。既に、人生から半分降りている自分に、まだまだ色々あるぞ、と教えられた昼下り。

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