猛暑から台風、また猛暑と慌ただしい。今年は、妙に肌寒かった梅雨明け以降、急激な猛暑。
なので廃業後、実家近くの時折行っていたランチ店が、あまりの暑さに遠く感じ、自室の近くで店を探そうと考えた。
しかし観光地であり、やはり高額傾向の店が多い。そんな中、存在は知っていた中華料理屋。
昨今、流行りの「町中華」でなく中国人が経営する店。売りは「飲み食べ放題3980円」という中国系でありがちな店で、小さな料理写真が、かまびすしく入口付近に貼ってある、如何にも急伸してきた形態で、どうせ中途半端な店だろうと。
ただ、日替わりの二品は割と安い。その日の片方、「鶏肉麺」に惹かれて入店。うす塩味で、こだわりは感じられないが、妙に口に合った。
壁には、何と中国語でのみ書かれたメニューが貼ってある。しかも写真なしだ。まったく読めずに、誰が頼むのかと不思議に思いながら、一生懸命解読しようと試みたが断念。
成程、日本人は各テーブルにパウチされて置いてあるランチ定食、おススメ冷やし麺のメニューから選べということだろう。ただし、そこに記載されているのは、どこにでもあるメジャー料理。
個人的には、普通の日本人は頼まない料理にこそ、その店の特徴があると思っている。だって、ありがちな料理は日本人向けに個性を殺している味が多い。
なので、まったく解読できず文字から想像できない料理はやはり惹かれるのだが、妙に高い。
初入店だし、テーブルにあるランチメニューを熟読。すると、これは一日中頼めると中国人女性が言ってきた。そうか一日中、食べ放題か、ランチメニューで対応する店か。
小さな店だし、中国人夫婦二人での営業で旦那が厨房、奥さんがホール担当らしい。
ところが、その奥さんが日本人からすると、どうにもむず痒い。段取りというか、他の客の注文が重なると動きがチグハグになる。
それでも、「刀削担担麺」に惹かれ、数日後に再入店。これが大正解だった。
辛いだけでなく、深さもあり、今まで食べた中でも上位に入る。何だ、これならここに通うか。
一つ行きつけが出来たと思い、壁のメニューについて尋いたら、夜だけのメニューであると。
困惑した。ビールでも飲んで、ツマミとして頼むには高い。一皿の量も解らず、その他に定食か刀削麺は多過ぎだろう。
まあ、徐々にランチ系メニューを制覇してから注文してみるかと。全般に嫌いな味付けじゃないし。
他にも数店探したが、新規の濃厚煮干し系と謳うラーメン屋は900円もするし、特定観光客向けの「ハラル・ラーメン」とか、想像できない店ばかりで、口に合う店は中々見出せない。あの中華屋がメインになるかな。
そうしたらどうだ。数回通ったら、その中華屋入口に張り紙が。突然の閉店告知である。しかも5日後だぞ。
折角見つけたランチ店。嫌な迷信が蘇る。「好きな店は無くなる」。
この猛暑の最中、ランチ難民が決定かよ。