お熱いのがお好き – SOME LIKE IT HOT(1959年)

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スタッフ
監督:ビリー・ワイルダー
製作:ビリー・ワイルダー
脚本:B・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド
撮影:チャールズ・ラングjr
音楽:アドルフ・ドイッチ

キャスト
シュガー / マリリン・モンロー
ジョー / トニー・カーティス
ジェリー / ジャック・レモン
コロンボ / ジョージ・ラフト
オスグッド三世 / ジョー・E・ブラウン
マリガン刑事 / パット・オブライエン
ボナパルト / ネーミア・パーソフ
ポリアコフ / ビリー・グレイ
スー / ジョアン・ショーリー

日本公開: 1959年
製作国: アメリカ ミリッシュ・カンパニー作品
配給: ユナイト


あらすじとコメント

今回も大の御贔屓監督ビリー・ワイルダー作品。ヒロインはオードリー・ヘップバーンからマリリン・モンローに代わり、監督との黄金コンビであるジャック・レモンの初登用作品。これまたコメディの佳作。

アメリカ、シカゴ禁酒法下の違法酒場でジャズ演奏をしていたサックス奏者ジョー(トニー・カーティス)とベース奏者ジェリー(ジャック・レモン)は、密告から摘発に入った警察の所為で失職してしまう。

不況下で、すぐには仕事が見つかりそうになかった。それでも地方で仕事があると聞いた二人は、車を借りるべくガレージに行くと、そこでギャングの親分コロンボ(ジョージ・ラフト)が、密告した人間を射殺する現場を目撃してしまう。

見つかってしまうが、何とか逃げだす二人。しかし、発見されれば間違いなく殺される。そんな時、女性だけの楽団があり、偶然サックスとベース奏者が足りないと知る。こうなれば恥も外聞も捨てて女装して潜り込むしかない。

そして楽団にはウクレレ弾きで歌手のシュガー(マリリン・モンロー)がいて・・・

ギャング映画とコメディを絡めた娯楽作品。

「バレンタインの虐殺」を彷彿とさせるマシンガンによる派手な襲撃。目撃したバンドマン二人は見つかれば、即座に殺される。

本来であれば犯罪サスペンスの領域であろう。

それを逆手に取り、女装して女楽団に紛れ込んで逃走しようとする二人。

場所は雪の降るシカゴから、常夏のマイアミ。これは運が向いてきたと思う二人だが、美人でセクシーなヒロイン歌姫は『男の』サックス奏者に弱いことが発覚。

逃げてる一人は二枚目気取りのサックス奏者。当然、自分が女装して紛れ込んでいると素直に打ち明けられない。それでも、何とかモノにしたいという欲望が優先。そこで更なる手を考える。

片割れのベース奏者は、何とも趣味の悪そうな金持ちボンボンに、とはいってもかなりの御高齢からストーカーまがいに口説かれる。

二枚目はヒロインを口説けるのか、そしてボンボンから追いかけられるベースマンはどうなるのか。そこにシカゴギャング集団がやってきてしまう。

ワイルダーとしては、少し意匠の変わった作品かもしれぬ。

しかし、本来ワイルダーは何本もシリアスなドラマを撮ってきた監督。サスペンスとコメディが上手く混ざり合う可能性も高い。

ただし、それが見事に融合しているかというと少し首を傾げる。

確かに手腕は大したものだし、主人公二人の男優は上手い。ギャングのボス役のジョージ・ラフトと老ボンボンを演じるジョー・E・ブラウンなども見事にはまって面白い。

ただし、ヒロインのモンローの起伏の激しい演技は気を削ぐ。事実、彼女は撮影当時、薬物依存症でキス・シーンを演じたトニー・カーティスは、あまりのリテイクの多さに「ヒトラーとキスした方がマシ」と言ったらしい。

つまり、情緒不安定さが、どうしても画面越しに感じ取れて、あれほど女性を上手く撮るワイルダーも苦心したと感じざるを得ない。

それでも、そんじょそこいらのコメディよりは面白い作品。

余談雑談 2020年5月2日
いよいよ黄金週間。とはいっても民族大移動ではなく、どれほど動かないかという記録がかかるやつ。 恐らく、皆が初めての経験。TVでは、快晴で初夏の陽気を映しながら、我慢大会のように家に居ろ、である。 ただし、個人的には嬉しいニュースもある。世界