世は黄金週間の開始だ。
既にそれとは関係なく大混雑が常態化した地元の観光地。
更に「のぼり旗」を付けた伸縮棒を持つガイドに先導される、初来日で観るものすべてが初体験で、常に顔が動きっ放しのグループ観光客も一挙に増加。
残念ながら、この手の人々は仲間内で盛り上がり道を塞いでもお構いなしなので閉口しきりでもある。その嫌な思い出とも再会中。そこに黄金週間で日本人観光客も来たら恐ろしいことになりそうだ。
なので、極端に外出を避け内弁慶という名の引き籠りの予定ではある。
なんて言ってはいるが、実はその前にと二週間振りに奥日光の温泉に行ってきた。何たって数少ないお気に入りの場所だし、沖縄ほど計画が面倒ではない。
定宿にお決まりの飲食店。挨拶は「ただいま」だった。地元生まれで、ここ以外に住んだことがない自分としては赤の他人ながら年長者で心穏やかな歓迎は心底ホッとする。
実は前回旅館に忘れ物をしたのだが、女将さんから今日来るから保管しといたよと。まるで実家気分だ。
どうやらお客さんも若干は戻っていると、ここでも聞いた。
しかし、日本全体の先行きを確定させることも話題に上った。そもそも大手銀行のATMは存在せず、メインであった地元系地方銀行のATMが撤退。以前からコンビニもない場所で、郵政系しか金融機関は残らず。
つまり、そこに変更なり口座開設しないと現金の入出金は大きな町まで行かないと不可能。いくら集落内とはいえ昔ながらの信用先行の「盆暮れ勘定」とも行くまい。
自分など便利な場所で選び放題だが手数料の有無などで大問題だと言うなんぞ、どれだけ贅沢なセコさかとも思う。
更には学校関係。これは沖縄の離島でも既に聞いた話。通える距離に高校はなく、それなりの街なりに行くしかない。となると寮があるとか、下宿を借りる。
こんな場所で幼少期を過ごし、思春期にいきなり刺激的な地域に行って大丈夫かと親やご近所さんが心配する。
小学校も今の子らが卒業すると数年は新入生がいないのが確定してると言う。現在、在住の若い夫婦の子供が入っても、3人じゃ廃校にならないかとか、コンビニもスーパーもないし、路線バスも減便された地域で若夫婦自体に影響が及ばないか。
結果、インバウンドを含め観光客が戻っても週末しか営業できない飲食店なり旅館が続出中。格安料金で長逗留など夢のまた夢だな。
これが地方の実態かと心配になった。定宿も行きつけの店も後何年通えるかと思うとこの国自体が終焉を迎えるんじゃないかと心配。
それでもビジネス・チャンスなり、人類は進歩するから問題ないという人も多いのかも。一方で、不器用で機械関係に疎かったり、キャッシュレスは苦手と平気で言ったり、車の運転もおぼつかない老人らは、とっと退場してくれということだろう。
自分も若い気分でいたって、結局、衰えは急速激化中だ。文句ばかり言って、自己犠牲なり大らかに他人を認めなかった自分を含む、個々の責任だろうが。
そんなことを言ってみたところで、せめて自分が生きてるうちは何とかなってねが、本心だけどね。所詮、そこいらのイヤな奴ってことさ。