余談雑談+ 2025年1月11日

今回の都々逸。

「取れば小さくわたしと言って 黙る電話の凍る夜」

ホラーですな。間違いなく昭和時代の作品だし、今では電話も携帯できるので、俗にいう「家電(いえでん)」。つまり家庭用の固定電話ってことですよね。

どう思うかそれぞれだろうが、受け手の男は妻帯者か独身プレイボーイか。もし妻帯者の場合、家電では別な家族がでる可能性もある訳で。

独身なら問題なかろうとも思うが、もし自宅を特定されていたら別な恐怖が芽生える。かなり昔だが、当時それなりにモテた男がいて、テキトーに遊んでフェードアウトが得意だった。

学生で金がなく自宅に連れ込むこともあったようだ。ある晩、女性から電話が来て、これから自室に行きたいと言われたが、断った。

その翌晩、同じ女性から電話が来た。会社の飲み会で遅くなり終電を逃したと。彼女の家は都外でかなり遠くタクシーでしか帰れない距離なのは知っていた。今と違いクレジット払いも深夜ATMもなかった時代。

躊躇しながら善後策を考えていたら、実は今いる場所は彼の自室の近くという。

そんな話を聞いていたから、この都々逸は瞬時にホラーと感じた次第。

更に今の若い人には分からないとも思うが、そもそも固定電話を持たず、「取る」のは受話器。そこから説明が必要だろう。

確かに昔は「電話に出る」ではなく、「電話を取る」とも言った。その時に動作は手で受話器を握る仕草をして耳に当てる。更に、本体のダイヤルを回したり、プッシュホンのボタンを押す仕草を一緒に加える。

まあ、今じゃスマホの時代で着信は番号表示だし、それによって知らない番号は取るなと警察も啓蒙している。更にはブロックできてスルーできる。

それでも、様々な流行と同じで昭和レトロとやらで、時代がひと回りしたのかLINEでの文字のやり取りでなく、電話機能で話す若者も増加傾向だとか。

それでも電話器とは呼ばずに電話機能としての使用とニュースでも呼称するんだよな。それでも、少し嬉しい。

直接の会話だし、恐らく間合いから微妙な雰囲気が伝わるようになるかもしれないし。

とはいっても、凍り付きたくはないが。

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