ビバ!マリア – VIVA MARIA!(1965年)

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スタッフ
監督:ルイ・マル
製作:ルイ・マル
脚本:L・マル、ジャン・クロード・カリエール
撮影:アンリ・ドカエ
音楽:ジョルジュ・ドルリュー

キャスト
マリー / ブリジット・バルドー
マリア / ジャンヌ・モロー
フローレス / ジョージ・ハミルトン
ロドルフォ / クラウディオ・ブルック
ロドリゲス / カルロス・ロペス・モクテズマ
ディオゲネス夫人 / ポーレット・デュポスト
ディオゲネス / グレゴール・フォン・レッツォーリ
修道院長 / フランシスコ・ライゲラ
ジャニーン / アドリアーナ・ロエル

日本公開: 1966年
製作国: フランス NEF作品
配給: ユナイト


あらすじとコメント

ブリジッド・バルドーに違う色合いの女優ジャンヌ・モローが絡む。監督もクセモノのルイ・マル。この三人が絡んで作ったコメディ。

メキシコ、モレロス

筋金入りのアナーキストを父に持ち、自身も刑務所で生まれたマリー(ブリジッド・バルドー)は幼少の頃から破壊活動を手伝い、各国で指名手配を受ける女闘士。

20世紀に入りアイルランドからジブラルタル、メキシコと官憲に追われながらも爆破活動を続けていた。ところが父が目の前で爆死するに至り、遂に自分も逮捕かと腹を括った。

それでも逃げられるところまでは逃げると決め逃亡。そして偶然目に入ったのが旅劇団の一座。何とかその中に潜り込めないかと様子を見ていると情夫に捨てられ自殺する踊子を目撃。

それでも深夜に素知らぬ顔でとある馬車に忍び込んだ。その馬車には死んだ踊子とコンビを組んでいたマリア(ジャンヌ・モロー)が、哀しみに打ちひしがれていて・・・

同名の美人が旅一座の花形から革命指導者になっていくコメディ。

コンビ女性の自殺に打ちひしがれる踊子とアナーキスト。急遽コンビを組むことが互いにベターだと決めステージに立つ。ところが片方はずぶの素人。

当然、上手く行かないが急にストリップを始めたら、瞬間に絶賛を博してしまう。

そんなこんなで爆破アクションからコメディへと変調を遂げ、バルドーが初めて女の喜びを知るに至り、次々と行く先々で男を変えていくというお色気調に変貌していく。

続いてはモローが革命戦士と知り合い、感化されてメキシコ革命に肩入れしていくという壮大なアクションに行く流れと相成る。

ヒロイン二人のイメージが正反対であり、演じるバルドーとモローもまったく毛色の違う色気を醸すタイプ。

アナーキストから女へ目覚め、片方は相方を亡くしてから、どこか自棄で排他的になりつつバルドーのような女闘士になっていく。

旅一座がある種の曲芸もこなす集団なので、当然アクロバティックな行動がスリルを生み、笑いをも運んでくる設定と展開。

トータルとしてヒロイン二人のための映画であって、男たちはあくまで『添え物』扱い。それでも一座の家族的仲間意識とメキシコ人の粗野さと卑屈さと無鉄砲さが入りまじる。

あくまでもコメディなのでご都合主義で進行するし、大らかさが先行するのでツッコミどころがあるが、どこか紙芝居的演出とヒロイン二人の妙に馴染まないコメディ演技が逆に妙なバランス感覚を醸し楽しく見ていける。

フランス映画だけに斜に構えたシニカル演出や嫌味さを強調した場面やスケール感もあり、何ともバランス感覚に長けた作品と感じる。

それもこれもバルドー、モローそしてルイ・マル監督ら有能スタッフが混然一体となり醸しだす結晶であるとも言えるコメディ。

余談雑談 2025年1月25日
妙に涙腺が緩む。ドラマやドキュメンタリーなどを見て、涙もろくなったと感じていた。それがここで急に顕著になった。加齢の所為だと思っていたら、どうやら花粉症デビューかもしれない。細かい症状なんぞ調べると、本当に病気になりかねないと敢えて見ないよ...