この冬、東京は思いのほか寒い。今週は二度も雪が降り、今日で三回目だ。
先立て、雪の降る中、外出した。車を持たぬ身としては、公共交通にしか頼れない。東京は雪に弱いと知っていてもしょうがない。で、そんな日に限ってバスでしか行けない所に用がある。
すると眼の前でバスが行ってしまい、今日はついていないなと思いながら時刻表を見ると何と、定時通過。よし、次は18分後かと気合を入れて待った。
しかし、そういうときに限って遅れる。何故、前のバスは定時で、自分のときは来ないのか。日頃の行いは悪くないと信じている。なのにだ。
暗がりなのに、降ってくるものが白いとわかる夜。しかも自分の吐く息が、妙に雪に馴染む夜。
屋根もないバス停で、思わず天を仰いだ。最終バスではなかったので、来るには来た。
だが、オチは言うまい。