余談雑談 2022年7月7日

今回の都々逸。

「もしやこのまま焦がれて死ねば こわくないよに化けてでる」

夏でもあるので、少し怖いのにしてみた。とはいっても、別な怖さでしょうが。

正妻でない日陰の身の方が詠んだもので逢いたいときに逢えないつらさが 膨れ上がったってことでしょうね。

考えようによっては日本の怪談話的でゾンビのような襲撃型ではないのが風情ありとか考えるのは、こちらも日本人だからか。「怨念」やら「執着」が、直接襲撃よりも恐ろしいイメージ。だから暑い夏場にゾッとする。一種のエアコン変わりの知恵。

これが独占欲から殺人や心中といった刃傷沙汰ではなく、恨めしく登場するのは未練がましいというか、まだ可愛げがあると真剣に思う人なんぞいないでしょうな。

もし、本当にストーカー的被害なりの経験があれば笑っていられないし、逆にそこまで相手を追い込んだ己にも非があるから仕方がないと薄々感付いてあきらめもつく御仁がいるのだろうか。

否や、相手のことなど考えず自分の欲望のみに支配され、それを受け入れない相手が完全に悪いと信じ込む。挙句、だから殺されて当然と真剣に言い放つのも増加しているとも聞く。

そうなれば「恨めしや〜」てな感じでない。しかもお化けの登場方法としては、顔が完全に見えて寝ている自分の上に重くのしかかってくるのは、俗に言う『金縛り』だが、それも科学的に証明されていて別な意味で風情がなくなった。

それに化けて出る時も、「枕元」と「足元」では、相手の怨念の方向性とか強弱が関係しているという方もいらっしゃる。まあ、これに関しては科学的証明などありゃしないが。

でも、枕元ではなく「ひざ枕」でなどと考える自分は良くて金縛りで、刃傷沙汰に発展かなと妄想するが、その前にモテるわけないと消沈し、冷や汗で背筋が凍る。

ならば、自分で自分に化けて出てやるか。

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