トリプルクロス – TRIPLE CROSS(1966年)

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スタッフ
監督:テレンス・ヤング
製作:ジャック・ポール・ベルトラン
脚本:レネ・ハーディ
撮影:アンリ・アルカン
音楽:ジョルジュ・カルヴァランツ

キャスト
チャプマン / クリストファー・プラマー
グルーネン男爵 / ユル・ブリンナー
ヘルガ / ロミー・シュナイダー
ヤング / トレヴァー・ハワード
スタインヘイガー大佐 / ゲルト・フレーベ
ポーレット / クローディーヌ・オージュ
レイモンド / ベルナール・フレッソン
スティルマン少佐 / アンソニー・ドーソン
イギリス軍軍曹 / ゴードン・ジャクソン

日本公開: 1967年
製作国: 英、仏 ジャック・ポール・ベルトラン作品
配給: ワーナー・ブラザーズ

あらすじとコメント

今回も第二次大戦下のスパイ活動を描く作品。重要機密を云々するサスペンスでなく、犯罪者が英独双方に取り入って立ち回る何とも乙なお話。

イギリス領ジャージー島第二次世界大戦前夜、独自の特殊爆弾を開発し次々と金庫破りをしてきたチャップマン(クリストファー・プラマー)が、遂に逮捕され島の刑務所に拘置された。

しかし、戦争が勃発するとフランスに近いこともあり、瞬く間にドイツ軍の手に落ちた。すぐさまチャップマンは占領しているドイツ軍司令官スタインヘイガー大佐(ゲルト・フレーベ)に自分をスパイにしろと売り込む。反応したのは伯爵夫人ヘルガ(ロミー・シュナイダー)。だが、そんな犯罪者の売り込みなど鼻もかけぬ大佐を差し置いてフランスへ連れて行く夫人。

そこで彼を待っていたのは将軍のグルーネン男爵(ユル・ブリンナー)だった・・・

実在した犯罪者のスパイ活動を描くサスペンス・アクション。

単独犯ながら外国人犯罪グループと誤認させ、上手く強盗を繰り返していた主人公。だが、逮捕されると14年の禁固刑で収監。

それが戦争勃発でドイツ管理下になるとスパイになるから金を寄こせと取り入る詐欺師的才能もある。当然ドイツも色々と試そうとするが、次々とかわして信用させていく。

とはいってもいつも助けくれるのは女性だし、ドイツだって貴族の将軍から冷徹なナチス、元刑事で主人公を一切信用しない真面目な大佐とタイプが混在し、別な意味でもサスペンスを盛り上げていく。

しかし、主人公はイギリスにスパイとして舞い戻ると、今度はイギリス情報部に取り入って二重スパイでどうだと売り込む。何を言うか、犯罪者でもあるし禁固刑は継続中だと脅される。

そうして英独双方の情報部から利用される立場に追い込まれていく。だが、主人公の方が一枚も二枚も上手という展開。

しかも実在の人物だというから恐れ入る。制作当時まだ存命であるので、かなりの誇張なり脚色が入っているとは思うが、それでも娯楽サスペンスとしては妙味もある。

やはりイギリス出身で初期の007シリーズを手掛けたテレンス・ヤング監督の手慣れた作劇が功を奏している。

ただ、日本で発売されたビデオは1時間もカットされた代物で昔のTVの洋画劇場的大胆な編集でこちらは、なくなった部分を想像して見ないといけない。逆にノーカットで観ると冗長さを感じるかもしれないが。

監督の作劇も007を敢えて感じさせ、主演のクリストファー・プラマーも、どこかジェームス・ボンドをイメージさせる。何せ、プレイボーイで美女が助けるし、キザでスマートという、いかにものタイプだし。

確かにスパイものであるので、それに釣られて観る観客も多いだろうと製作サイドも思ったのかもしれない。

脇も中々面白いキャスティングだと感じるし、当時としてはバランスの取れた及第点の作品であると評価できようか。

余談雑談 2022年7月2日
何とも前倒しな梅雨明けをした東京。その前後から灼熱地獄を連想させる赤い太陽マークの連続で6月としては史上最悪。 だが、日頃の行いが良いのでしょうか、そんな東京から、現在逃避行中。まあ、沖縄なんですが。早割りで安いツアーを探し予約した日程が丁