これもコロナの影響かな。流行当初は恐怖感が蔓延し、旅行やら不要不急の外出を控えた人が増加した。
それによる在宅時間が増え、更にネットで何でも買うような価値観も増長された。しかも熟考する時間も増加し品定めに時間をかけられる。その代わりに、電気水道代から食料品まで値上げで家計を圧迫。
それなのにか、だからこそなのか、映画関係資料を探すのにネットのオークション・サイトを見ていると出展商品の値付けや、最終落札価格に首を傾げることが増えた。
特に顕著なのは映画パンフレット。1970年代に公開されたセットを「古い」と40冊で2万円出品。個人的には、そんなもの誰が欲しがるかと思った。
自分が欲しいのはメルマガ用でもっと古いモノ。逆にそれらは価値を知らずに格安出展。
何のことはない、自分の価値観が偏っていることなんだな、と。考えりゃ70年代だって半世紀も前だ。そりゃ古いと言っても過言ではなかろう。
以前からパンフのコレクターであった。それが乗じてこのメルマガを始めたが、当時の収集方法は、封切館まで出向き映画は観ないがパンフだけ買うというもの。特に、劇場館名入りは後に高額になる可能性があったから。
聞いた話だが、更に昔は藁半紙印刷で三枚折りで置いてあり、無料配布だったと。だから、とても古いその手のパンフ出展は安っぽく見えて格安なのだろうか。
以降、コレクターズ・アイテムがパンフから映画チラシに拡大し、逆にチラシが高額取引になったのは無料配布で保存状態が悪いか、見たら捨ててしまう代物だったからと聞いた。そこが三つ折りパンフと違うところ。
他の収集法は、町の古本屋を巡るか、コレクター同士の交換程度だった。それを考えるとネット・オークションは天国である。ただ、高額系の作品や俳優に関しては趣味と価値観が変化した。
例えば主演作が三本しかないジェームス・ディーンや初期のアラン・ドロンの封切館の館名入りパンフは、矢鱈と高かった。希少価値と欲しがる人が多かったから。
それが、現在は両名とも暴落。500円でも落札されないことがある。隔世感が頭の中で飛び回る。だから70年代以降のパンフはほぼ収集済みなので出品価格帯に驚いた次第。
まあ、落札はされないから見る目がある人も多いのかと笑ってしまうが。でも、売れたなら自分はどれほどの金持ち予備軍かと小躍りするけど。
一方で、断捨離でもないが自分の家にあった古着はブランド物でも引き取ってもらえなかった。
車がないから訪問依頼での査定なので、こちらが遠方まで持ち込むよりも安くなるのは承知。保存状態もあろうが、それでも一応のイタリア系ブランドものだぜ。
シャツ一枚が万単位なのもあった。それでも買取不可。同じ中古でもシャツ40枚一挙放出で2万円などと言っても見向きもされまい。
そう考えると結局、80年以上前の「古過ぎる」まで行かないと値段が付かないのかと思った。
生きるでもなく、死ぬでもない。もしかして、自分自身が中途半端で無価値ってことにはならんよな。