スタッフ
監督:ラオール・ウォルシュ
製作:ポール・グレゴリー
脚本:デニス・サンダーズ、テリー・サンダース
撮影:ジョセフ・ラシェル
音楽:バーナード・ハーマン
キャスト
クロフト軍曹 / アルド・レイ
ハーン少尉 / クリフ・ロバートソン
カミングス准将 / レイモンド・マッセイ
ミルドレッド / バーバラ・ニコルス
ギャラガー / リチャード・ジャッケル
ブラウン / ウィリアム・キャンベル
ロス / ジョーイ・ビショップ
ウィルソン / L・Q・ジョーンズ
レッド / ロバート・ギスト
日本公開: 1958年
製作国: アメリカ ポール・グレゴリー・プロ作品
配給: 日本RKO
あらすじとコメント
アメリカの俳優クリフ・ロバートソン。二枚目から大統領役と幅広い芸域の持ち主で、今回は若き将校を演じた作品を取り上げる。
アメリカ、ハワイ
1943年、太平洋戦線が激化していた。アメリカ海兵隊がホノルルに駐留していたが、とある孤島制圧に参加するべく移動命令が出た。
その中のひとつの分隊を指揮するのはクロフト軍曹(アルド・レイ)。彼は鬼軍曹というよりも、更に強烈な個性の持ち主で気に入らぬ相手には男女問わず食ってかかるし、敵兵は人と見なさないとか言動が極端で部下たちからも敬遠される始末。そうなったのは妻を間男に寝取られた暗い過去に起因するようだ。
彼らの指揮官はカミングス少将(レイモンド・マッセイ)で、親友の息子であるハーン少尉(クリフ・ロバートソン)に対し過保護なほど目をかけていた。しかしハーンの方は却って疎ましく、更に特権意識を持つ人間らのスタンスに対してあからさまな反抗を見せるタイプでもあった。それは自分が良家の子息で実戦経験が少ないことも関係している模様。
島での戦線は膠着し少将はクロフトとハーンを組み合わせて特殊作戦を命令するが・・・
両極端な将兵が小さな部隊で対峙する戦争ドラマ。
鬼のような軍曹。瓶のフタは口で開けるし、部下が傷ついた小鳥を拾って愛おしそうにしてると作戦に邪魔だと奪って握り潰すタイプ。
これでは部下がら信頼されるはずもない。そんな性根は上官でもあるボンボン少尉にも向けられる。
嘘までついて強行作戦に打って出ようとする主人公の軍曹。島の反対側に回り、敵の背後から近づき襲撃する密命を受けるが、当然艱難辛苦の道行きとなる進行。
しかも捕虜にした日本兵は裸にしたうえで射殺しようとする軍曹に対し、上官が止めたりして対立が加速されていく。
更に軍曹は弱気の部下は平気で罵り見棄てるし、一方の上官だって実戦経験がないゆえに机上の空論的命令しか出せないのも事実。
何もかもがチグハグで徐々に犠牲者が続いていく展開。
ただ大作感はなく、とはいえ本来なら十数名の兵士らで遂行される作戦内容ではないと。部下たちも個性的な面々なので少人数ゆえに混乱はしないが、それでももう少し大きな部隊での作戦行動をすべきだろう。
戦死者が徐々に続いていくのだが、一名の戦死者が十名単位の要約のように見えてしまうのも作戦規模として違和感ばかりが勝るから。何故なら一度戦闘が起きれば、相当量の規模のバトルなのだから。
全体を通して興味深いのは主人公と上官が、一切改心しないで最後まで突き進むことだろうか。
原作は実際にフィリピン戦線に参加したノンフィクション系の作家ノーマン・メイラーによるもの。確かに実戦体験に裏打ちされた設定だと感じるし、戦場に階層格差を持ち込んで描いている点も興味深い。
キャストも適材適所だと感じるが、やはり日本人以外に片言の日本語を平気で話させるのは珍妙である。
しかし、それは本作に限ったことではないだが、やはり日本の指揮官が「出発!」ではなく「デハ、行キマショウ」というのはあり得ないので興を削がれた。一体、どこからの翻訳出自だろうかと。
全体的にこじんまりとしながら大作感をだそうとしたラール・ウォルシュ演出は一応買えるし、見ていられる戦争映画にはキチンと仕上がっている。


