スタッフ
監督:マイケル・ムーア
製作:ハル・クレイン
脚本:ジョージ・シェンク、ウィリアム・マークス
撮影:エマニュエル・ロハス
音楽:フィリップ・ストリンガー
キャスト
マスターズ / ジャック・パランス
パトライ / フェルナンド・ラマス
ヴィゴー / アルド・レイ
ティサ / アリシア・ガー
イアン / ドン・ナイト
ウィンリン / カム・トン
ジミー / ハンス・リー
チュンヤン / ジュディ・ダン
タイ / チュン・カイ
日本公開: 1968年
製作国: アメリカ オーブリィ・シェンク・プロ作品
配給: ユナイト
あらすじとコメント
B級俳優の雄アルド・レイ。今回は脇に回って活躍する異国情緒に溢れた、これまたB級活劇を扱う。何とも真面目に撮っているだけに、逆にニヤついてしまうアクション。
ポルトガル領、マカオ
密輸団「ドラゴン」の首謀者パトライ(フェルナンド・ラマス)は、嵐で船が座礁し積荷を紛失してしまう。ところが小島の住人らが密かに陸揚げし保管していたのだ。
それを知ったパトライは手下を従えて島に乗り込み、三日以内に差し出さないと島民全員を皆殺しにすると迫った。
恐怖を感じた長老たちは停泊中の冒険家マスターズ(ジャック・パランス)に助けてほしいと打診して・・・
高性能爆薬を巡る攻防戦を描くアクション作。
ほぼ治外法権の場所で我が物顔で密輸を繰り返す一団。
首謀者は中々の二枚目で、いかにも悪役という風情でもないフェルナンド・ラマスが演じ、一方の主役は悪役専門から出世し、イタリア映画からTVの連続ドラマまで進出し、活躍したジャック・パランス。
本来ならば逆のキャスティングでも良いと思う。
ストーリィの設定自体は「七人の侍」(1954)である。
寒村の農民が偶然拾得した爆薬を狙われて主人公に泣きつく。しかも3人組で訪問していき、当初は断られるというあたりも完全にパクリである。
ただ、七人も必要ないとばかりにホテル専属のツアーコンダクターと賭け試合専門選手、ホテルのフロント二人を加えた計五人。それ以外は島の住民らを総動員して対処する。
しかも低予算を意識して派手なシーンは極力抑え、実にコンパクト。それを地味にオール・ロケで撮っている作品。
確かに欧米人からすれば香港やマカオという猥雑で極彩色とモノトーンの寒村のコントラストが極端な地域は異国情緒たっぷりだと感じるだろう。
ツアコン役のアルド・レイは赤いジャケットなど着こんで欧米人観光客向けの船上ツアーで、観ているこちらにも観光気分を盛り立ててくれる。
主人公の登場場面とラストはセクシー美女とのベッド・シーンというお色気も加味され、男性観客のみを意識している作劇。
どうにも大雑把で力量がないのに力技の演出が前面にでているマイケル・ムーア監督のジタバタ加減が際立つ。ただ、逆にそれが面白くもある。
とはいっても、あくまで評価できるのはその程度で、物語の回収と収束にかなりの無理があるし破綻するための設定と展開とも受け取れるので、よくぞこの内容で完成、公開させたなと感じた。
肩肘張らずに細かいことのみならず、ほぼ全編を大らかに楽しむことを意識して観ると鑑賞には耐えうる作品。
でも、編集法など嫌いなリズム感じゃないから癪に障るんだよな。


