今回の都々逸。
「逢えばさほどの話もないが 逢わなきゃ言いたいことばかり」
そんなものなのか、ですかね。要は頻繁に会えない人ってことで、これは家族持ちか、はたまた、あちらこちらに相手が存在する遊び人か。
あくまで地元が下町だし、昔から立ち話や噂話が好きな人が周囲に多い地域。なのでこの都々逸のような不器用な女性、もしくは静かに情念を燃やす女性の印象はない。そもそも居たとしても目立たぬかもしれぬが。
一方で誰彼構わず話しかける下町オバサンに当たるとまことに申し訳ないが、こっちは聞いてる素振りで聞き流すことにしている。
で、話の流れで「どう思う」とか尋かれると言葉に詰まるのは当然で、さもこちらに落ち度があるような目で見られる。となればその手の相手は苦手意識が芽生える。
あくまで、これは古い都々逸。これを詠んだのは芸者というか、水商売系の女性だろうし、会えないつらさが勝る日陰の身。これで会って愚痴や喧嘩でも売ろうものなら先が見えるし、風情もないと感じさせてしまう。
それに個人的にはお喋りで延々と日記的愚痴なんぞ聞かされれば冷める性分。反面、会った時にあまりにも静かだとこちらに興味があるのかないのか不安になるし、何よりも底冷えの冷たさというか怖さが際立たないかと。
こんなことを考えられるのは、自分には全く縁のない世界だし女性だし。そもそも会えた時には話より優先されることがあるのでしょうがね。
それに別な意味でも個人的にイメージすること。自分の寄る年波で記憶力が落ち、それこそいいたいことはメモに残しておかないとすぐに忘れる。
しかも、スマホに打ち込むメモ機能ではなく手書きで紙に書いておくことにこだわる。実にタイパ的に悪いとか若い人から言われるだろうが、構うもんか。
言い訳だが、文字を書いたり漢字を思い出したりすることはボケ防止とも聞くし。それでも忘れる傾向が増してきて、映画だって昔に見た作品は細部まで覚えているのに、この20年程で初鑑賞したのは忘れる、というか覚えていられない。
文字だって走り書きにしても即座に思い出せず、突っかかり、挙句に前後に一体何を書きたかったかまで忘れる。本末転倒とか突っ込まれるかもしれないけどね。
シネコン映画鑑賞や人手が苦手と外出を控えれば人との関わりが減り、諸々忘れる一方ってことか。
じゃ、粋筋系で逢いたい人でも見つけるか。でも、どこで、だな。素人向けの文通相手募集やら、玄人の粋な姉さんなんぞ、鼻にも引っ掛けてもらえないしな。

