殿方ご免遊ばせ -UNE PARISIENNE (1957年)

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スタッフ
監督:ミシェル・ポワロン
製作:フランシス・コスン
脚本:ジャック・エマニュエル、ジャン・オーレル、M・ポワロン
撮影:マルセル・グリニヨン
音楽:アンリ・クローラ

キャスト
ブリジット / ブリジッド・バルドー
シャルル / シャルル・ボワイエ
ルグラン / アンリ・ヴィダル
グレタ王女 / ナディア・グレイ
ローリエ / アンドレ・リュゲ
モニカ / マドレーヌ・ルボー
ダルプレイ / ノエル・ロクヴェール
キャロライン / クレール・モーリエ
空軍大佐 / ギィ・トレジャン

日本公開: 1957年
製作国: フランス レ・フィルム・アリアーヌ作品
配給: 東和


あらすじとコメント

フランスのセックス・シンボルと呼ばれたブリジット・バルドー。彼女ありきという設定にして、一歩間違うと外交問題になりかねない浮気話を描く艶笑譚。

フランス、パリ

首相の一人娘ブリジット(ブリジット・バルドー)は、官房長ルグラン(アンリ・ヴィダル)にゾッコンである。何故なら彼は中々の二枚目で、実際に彼を慕う人妻や追っかけ的アメリカ女性がいるのを知っているから。そういう相手だからこそ燃えるブリジット。

だが、官房長の方は当然首相の娘だし、じゃじゃ馬な小娘という意識でしか見ていない。それでも、セクシーに自分を売り込もうとするブリジット。

ある時、いたずら心から狩猟で休暇中の父親の下へ緊急事案と嘘を付いてルグランを呼びだした。ところがそこに彼と元訳アリ人妻が再婚相手の野党党首と来ていたから騒動となり、結果、ブリジットはルグランと結婚となる。

幸せなはずだが、やっぱりじゃじゃ馬小娘。浮気性的亭主に焼きもちを焼かせようと画策。

そして何と彼女は国賓待遇で来仏してきたシャルル皇太子(シャルル・ボワイエ)に色目を使い・・・

ワガママ娘が国際問題になりかねない恋の冒険を画策する艶笑コメディ。

異性に興味があり暴走気味のヒロイン。まさにバルドーへの当て書きと感じる。

父親である首相は当然一人娘にメロメロ。懐刀の官房長はプレイボーイ。当初、官房長は野党党首の奥さんと良からぬことを画策するが、連立を組みたい首相としては大問題。

ましてそんな人妻より手付かずの自分こそが一番と言い寄るヒロイン。結果、危機回避をしてもらい、ならばとご機嫌取りとセクシー・ビームにやられて結婚。

ところが心底から自分を愛しての結婚ではないと拗ねる始末。それでも懲りない亭主は続いてアメリカ女性と再会に燃えるから、今度はヒロインが国賓の皇太子に色目を使う。

何ともヨーロッパのお偉方は、どうにも好色ばかりという展開で面白い。

これが日本だと、こんな大らかな設定と展開にはならないだろう。

来賓の皇太子と女王は完全にグレース・ケリーとレーニエ大公に見えるし、しかも皇太子の大立ち回りまで登場してくるのだから、どこまでがエスプリで、どこからかなりのイヤミなのか首を傾げる。

そもそもフランスは現代にいたるまで国家元首に愛人がいようが何ら問題がないと公私分離の価値観があるので、あり得ない話でもないと思わせる。

兎にも角にもヒロインを演じるブリジッド・バルドーをいかにセクシーでコケティッシュな小娘として描くかが最大の関心事であるのは明らか。

つまり、当時のバルドーならば国際的スキャンダルさえ起こしかねないセックス・シンボルだと吹聴しているようにみえる。

他の作品群よりは、彼女の露出はいささか控え目ではる。相手役の皇太子役にはホンモノのプレイボーイであるシャルル・ボワイエというのも妙味あり。

何せ、最新式ジェット戦闘機でヒロインとお忍びで南仏までデートに行くぐらいだから。どこがお忍びなのかと笑ってしまうが、それが階級の違いで細かなことなど気にしないのかも。

ラストも、どこか「ローマの休日」(1953)への逆ヴァーション的アンチテーゼとも受け取れる。

ただし日本男性は、この手のワガママ娘を手玉に取れるような人間は希薄だろうなとも感じる。

バルドーだから成り立つ艶笑譚といえる。

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