勝利への脱出  - ESCAPE TO VICTORY(1980年)

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スタッフ
監督:ジョン・ヒューストン
製作:フレディ・フィールズ
脚本:エヴァン・ジョーンズ、ヤボ・ヤブロンスキー
撮影:ジェリー・フィッシャー
音楽:ビル・コンティ

キャスト
ハッチ / シルヴェスター・スタローン
コルビ─ / マイケル・ケイン
フォン・スタイナー / マックス・フォン・シドー
フェルナンデス / ペレ
ウォルドロン / ダニエル・マッセイ
レニー / キャロル・ロール
レイ / オズワルド・アルディレス
実況アナウンサー / アントン・ディフリング
アンドレ / アミドゥ

日本公開: 1981年
製作国: 米、英、伊 F・フィールズ・プロ作品
配給: 富士


あらすじとコメント

シルヴェスター・スタローン主演作。今回は胸のすく展開を見せるサッカーと脱走を実際のサッカー有名選手を登場させて描く娯楽戦争作。

ドイツ、南部

1943年、ドイツ軍管理の捕虜収容所で捕虜の一人が脱走を試みて銃殺された。捕虜側は降伏後の故意による射殺だと赤十字の視察を要求。

一応、やって来た中にドイツ側宣伝担当としてフォン・スタイナー少佐(マックス・フォン・シドー)が同行していた。彼は所内で暇潰しの遊び感覚でサッカーをする捕虜たちを認め、中にアメリカ人で元アメフト選手であったハッチ(シルヴェスター・スタローン)がラフプレーをしコーチに叱責されている姿を見て微笑んた。

そんな少佐にコーチのコルビ─(マイケル・ケイン)が、彼に失礼だと難癖を付けにきた。ところが近付くと元英独のサッカー代表選手で戦前の大会で互いを認知していたと知る。コルビ─から他にも元代表選手の捕虜がいると告げられ、とあるアイディアを思いつくフォン・スタイナー。

捕虜側とドイツ軍によるサッカー試合を開催すれば良い宣伝になると・・・

脱走とサッカー試合を絡めた痛快な戦争作。

ドイツのプロバガンダとして連合軍捕虜とサッカーの試合を行う。

史上一度も英国には勝利したことがないドイツ側だが、当然、今回に関しては負ける想定はない。

それは誰しも承知だ。しかも試合自体が占領下のパリで開催されることにより、捕虜側のサッカーチーム全員がレジスタンスの手引きで試合中に脱走させようという内容と相成っていく。

ある意味、脱走映画の決定版「大脱走」(1963)の小型版の態でもある。しかも主役はイギリス軍捕虜が圧倒的に多い中で、いかにもヤンキー的アメリカ人だ。

あちらではスティーヴ・マックィーンであったが、こちらではスタローン。集団行動よりも個人を優先するのも同様のタイプ。

情報のために単独で脱走し、再度捕虜になり戻るという設定も同じではある。

つまり対比しやすい作品でもある。しかし本作が違うのは、どこかスポーツ感覚の作風ではなく、スポーツそのものをメインに据え、且つ登場人物の多様性である。

実際にプロ選手であったブラジルのペレ、イングランドのボビー・ムーア、スコットランドのジョン・ウォーク等10人以上の選手がサッカー場面のみならず演技まで披露している。

それぞれ個性的であるし収容所の場面や脱走のサスペンス、試合の盛り上がりなど緩急の付いた展開を、割と正攻法で撮っていくヴェテランのジョン・ヒューストン演出は手堅く見応えがある。

ただし、大雑把さと端折り感もあるので、緻密性と整合性を優先する観客には受けが悪いかもしれない。

それでも「失われた世代」に属し実際に第二次大戦を知る世代の矜持だと感じた。

終盤のサッカー場面では、それまでのスタイルが変化し、それこそスローモ─ションやカットバックの多用に劇的な音楽と今までとは違うリズム感をだし臨場感を盛り上げていく。

しかも脱走計画がどのようになっていくのかと思わせつつの試合運びと実際の計画の並行などストレートに盛り上げていき、流石と感じさせる。

命懸けの脱走計画とプライドを賭けた男のロマンという同化しやすい内容で娯楽映画として盛り上げていく。

飽きずに観ていけるし、見応えもある娯楽作として良く出来ている作品。

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