余談雑談 2022年12月10日

TVの紀行番組で「うだつの町並み」を見た。

昨今はコンプライアンスの影響か、ほぼ聞かなくなったが過去の印象では「うだつが上がらない奴」とか使用されていた。会社や組織内で出世しそうにない人物を指した。

実際は江戸時代に火事の延焼防止、もしくは遅延のためにセットバックした二階部分に建物から垂直に突き出された態で屋根より高く作られた仕切り塀的なもの。

今だとアパートなりのべランダにある隣室との隔壁に近いだろうか。尤も、現在のは、いざという時は蹴って破って隣室避難用としても使われるが。

日本には幾つか、その「うだつ」の特徴がある場所が実在する。屋根より高くするというのがミソなのか、江戸時代から富の象徴としてどれだけ高く作るかを地域内で競ったようだ。

だから出世しない奴とか金を持ってない人間を「うだつが上がらない」と蔑んで言ってた訳か。明らかにマウントだよな。

こうなると自分は「フンだ」と負け惜しみを言いたくなる。まあ見栄っ張りは今だっている。ただ、スケール感が縮小している気もする。尤も、自分が興味ないので気付いてないだけかもしれぬが。

「猿と何とかは高いところが好き」でもなかろうが、高層マンション在住とか東京の中心地域限定で偉そうにする。その類。そういえば昔「田園調布に家が建つ」というギャグも流行ったが、今でもその手の庭付き一戸建てに憧れる人もいるのだろうか。

そこまでは無理と知っていて、ちっぽけな部分を拡大解釈して、まるで魚眼レンズのような知識披露。それも書籍からの情報収集ではない。

やっぱり「うだつ」に憧れは発生しないな。まあ、自力出世でなく三代目の身上ゆえに家業を潰した自分。確かに恵まれた生まれで困窮生活ではない。

それよりは、うだつを自分で下げて隣との壁を作らない人生に憧れるべきか。まあ、東京にいれば無理ってものだが。

だって敢えてそんなことしたら、もしもの時に「炎上」を煽る奴になりはしないか。

結局、身勝手御免だな。

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