「せっかち」な性分は良いのか悪いのか。
たまに母親の薬を貰うため掛かり付けの大病院がある御茶ノ水まで出向く。
実は、これが苦手。何たって病院が大嫌い。単に薬を貰うだけなのだが、受付をしてから受取りまでに2時間はかかる。
なので今回、受診開始の1時間前の受付開始時刻に到着するよう出向いた。何のことはない、歩いて10分程度の神保町に、行列嫌いの自分が、唯一、行列してでも食べたい店があり、そこの開店前に間に合うようにと逆算してのこと。
前回の時は、診療開始時間の少し前に行ったら、流石の大病院、会計から薬の受領まで長蛇の列で、その店に行くことを断念せざるを得なかったからだ。
「せっかち」な自分は、早目に行動するのは苦ではない。まして、この分なら行けそうだと内心喜びながら、さて、今日はその店で何を食べようかと考えながら待った。
するとどうだ。何と、受診開始時間前に処方薬のみの呼出しが始まり、あまりにもスムーズに運び、受診開始時間の15分後には全てが完了。
おいおい、早過ぎだぞ。ランチの開店には2時間以上も間があるじゃないかよ。
想定外である。流石に並ぶには早過ぎるし、かといって、カフェで時間潰し的な金使いたくないし、神保町の古書店を覗いたら、何か買ってしまいそうだ。
せっかち行動が正解以上の結果を生んだなと入り口で薬を持ったまま、しばし呆然。
母は、自分から店番を買って出ており、実家に戻る必要はない。たまさか、昨今全然行っていない渋谷とか新宿にでもと考えたが、やはり余計な金を使いそうだ。まして、電車賃もかかるし。
で、目的の店は断念を決め、暖かい日差しでもあるし、徒歩で上野あたりまで行ってみるか、と。アメ横や駅周辺は飲食店が多い。
わざと、ゆっくり散歩を開始。途中の秋葉原はどこも開店前で閑散としており、アメ横も開店準備を始めたばかりで、春節の中国人観光客らが困惑していた。
結果、24時間営業の居酒屋しか開いていない始末。見ると11時からランチタイムでオール500円と謳っている。少し飲んで、ランチ時間にワンコイン定食にすれば良いか。
それに騙された。否や、初めての店は自分の嗅覚を信じるが、リズム感の違う散歩で疲れていたのか、焦っていたのか。
北海道系の店名で、魚介類系で飲むかと入ったら、店長以下、全員が中国人。確かに、こんな時間に24時間営業の店で働く日本人は、このご時世少ないかもな。
ビール中瓶と一種類の貝の刺身に白魚の天ぷらを注文。程なく注文品が出てきたが、そもそもが『匂わない店』だ。ランチはワンコインとはいえ、止めておいた方がマシと確信。
それで「お通し」が加算されて2000円弱。やっぱり「せっかち」は得なのか損なのかと泣きたくなったランチ前。