スタッフ
監督:アレキサンダー・シンガー
製作:ジェリー・プレスラー
脚本:マーガリット・ロバーツ
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
音楽:デビッド・ラクシン
キャスト
キット / ラナ・ターナー
ジョーダン / クリフ・ロバートソン
ウォーカー / ヒュー・オブライエン
マーゴット / ルース・ローマン
キャロル / ステファニー・パワーズ
オースティン / ロン・ハスマン
アイリーン / ヴァージニア・グレイ
ドン・ジュリアン / カルロス・モンタルバン
アンドラ─デ刑事 / エンリケ・ルセロ
日本公開: 1965年
製作国: アメリカ ジェリー・ブレスラー・プロ作品
配給: コロンビア
あらすじとコメント
前回の「ミッドウェイ」(1978)で様子見ばかりの将校を演じたクリフ・ロバートソン。個人的に好きな俳優で結構作品を追っかけて観たひとりでもある。そんな彼が出演したドラマにしてみる。もう誰もこんな映画のこと覚えてないだろうなと、敢えて紹介。
メキシコ、アカプルコ
高級避暑地として有名な場所。豪華ホテルから広大な敷地の別荘などが立ち並ぶビーチ・リゾートだ。
そこの大邸宅に住む富豪のアメリカ中年女のキット(ラナ・ターナー)は元ビーチボーイで人気ナンバーワンだったジョーダン(クリフ・ロバートソン)と結婚した。セレブリティであり、当然の如く退廃的な生活を送る日々。
ある朝、ジョーダンの元同僚だった男が砂浜に死体となって打ち上げられる。しかも手にはキットから贈られた純金のリングをしていた。警察が乗りだして調査が始まるが、どうやら自殺らしいと。とはいえ、亭主のジョーダンは水死体の腕の純金リングが気にかかった。
しかし、年上のセレブ妻とは隙間風が吹き始めていたので、すぐに忘れて興味は他に移った。ジョーダンの結婚後は、後釜としてウォーカー(ヒュー・オブライエン)が弟とビーチに来る有閑マダムらを次々と篭絡し、セレブ気取りで跋扈していた。
そんなところに死んだビーチボーイの恋人と名乗るキャロル(ステファニー・パワーズ)がやって来て・・・
超高級避暑地で繰り広げられるセレブたちの醜態を描くドラマ。
真っ黒に日焼けし、真っ白で短めな海水パンツだけで、いつも笑いながら金持ち娘や有閑マダムを篭絡してヒモの如く舞い遊ぶ「ビーチボーイ」。
ヒロインは中年であり、元ナンバーワンを水揚げし何不自由なく暮らしている。ところが、やはり若い別な女に亭主の心が移っていくのを感じ情緒不安定になっていく。
それを絶妙に感じ取り現在のナンバーワンが篭絡しにかかったりと、何とも嫌な人間関係を見せつけられていく内容。
他にアメリカからの有閑マダム二人組も絡み、パーティや大騒ぎと非日常を満喫してはいるが、人間の心は逆に空疎になっていくと描かれる。
何てことはない内容なのだが、ヒロインの衣装を担当したイーディス・ヘッドのカラフルで登場毎に変わるドレスや、ホスト的色男たちの海辺以外でのカラフルな衣装など、どれもカラー作品の効果で見事に調和し高級感を出すことに成功している。
主題歌も当時人気だったナンシー・ウィルソンに唄わせムードを盛り立てる。
登場人物全員が真っ黒に日焼けし、いかにも遊び人風に生きるさまは、フランス等のヨーロッパのセレブとは全く違う『生臭さ』というか、成金に群がる蠅かゴキブリの態で描かれる。
そういった点に国民性というか、底の浅い優越感に平気で浸れる人間たちの哀れさが浮かぶ。とはいっても、未だにこれに憧れる人々がいるのも事実。
なので、ストーリィよりも風光明媚な観光紹介映画として鑑賞した方が良いだろう。


