デザーター/特攻騎兵隊  - THE DESERTER(1970年)

メルマガ会員限定
画像を表示するにはメルマガでお知らせしたパスワードを入力してください。

スタッフ
監督:バート・ケネディ
製作:ラルフ・B・サープ、ノーマン・ベア
脚本:クレア・ハフェーカー
撮影:アルド・トンティ
音楽:ピエロ・ピッチョーニ

キャスト
ケイレブ大尉 / ベキム・フェーミュ
ブラウン少佐 / リチャード・クレンナ
マイルズ将軍 / ジョン・ヒューストン
レイノルズ牧師 / チャック・コナーズ
マッチャイ / リカルド・モンタルバン
クロフォード大尉 / イアン・バネン
タッティンガー / スリム・ピケンズ
ジャクソン伍長 / ウディ・ストロード
ファーガソン少尉 / ブランドン・デ・ウィルデ

日本公開: 1971年
製作国: 伊、米、ユーゴ D・D・ラウレンティス作品
配給: パラマウント、CIC


あらすじとコメント

「勝利への脱出(1980)で骨太の演出を見せたジョン・ヒューストン。出演も兼ねる存在として有名であった。今回は少し意匠の変わったマカロニ系西部劇に出演したもの。いかにもながら妙にウマ味を感じたアクション系ウエスタン。

アメリカ、アリゾナ

騎兵隊大尉のケイレブ(ベキム・フェーミュ)は、妻が住む集落に到着するとアパッチ族に襲撃された後で、妻は瀕死の重傷。残念ながら助からないと見るや仕方なく彼自らが射殺した。

嘆きと怒りのケイレブは途中で出会ったアパッチ族数名を全滅させ砦に戻り、見通しの甘かった上官ブラウン少佐(リチャード・クレンナ)に詰め寄った。しかし意見の食い違いから手をだし少佐に重傷を負わせてしまい、その足でたった独りで出ていく。彼はすぐに制服を脱ぎ捨てると、自らアパッチに成りすまし個人的に復讐を開始。

数か月後、南西部の総司令官に着任したマイルズ将軍(ジョン・ヒューストン)は、拠点をメキシコに移したアパッチ族の蛮行が激しくなり、強力な討伐部隊が必要だと痛感し・・・

私怨からアパッチ殲滅に動く男と仲間たちを描く西部劇。

軋轢のある杓子定規的な上官。だが新任の将軍が強硬派で主人公を呼び戻し、精鋭部隊を組織しアパッチ討伐活動せよと命令。

現在も在籍中の騎兵隊員には規律を重んじぬ主人公を忌み嫌う兵士もいる。しかし、当初から彼に協力してた先住民と白人案内人はすぐに参加を決め、その他にもイギリス陸軍から派遣された将校、爆薬に詳しい従軍牧師、腕っぷしが滅法強い黒人兵などが加わっていく。

主人公がかなり強烈なキャラだから、訓練も死も厭わない強烈さ。ハードさに加速が付く訓練課程で兵士それぞれの個性を描いて行く進行。

主人公はヒゲ面で汚い服装、露骨に敵対するキャラなど いかにもの「マカロニ西部劇」の態で進行させつつ、おや、これは少し違うぞと感じさせていく展開には妙味を感じた。

それはバート・ケネディというA級B級と数多くの西部劇の手掛けたヴェテランで、ツボを外さない実力派監督の手腕であると断言できる。

派手で辻褄が合わない設定と進行など、完全にいい加減であり、それこそテキトーなマカロニ風であるのにグイグイと引っ張っていってくれる。

訓練を終えた総勢20名程度の騎兵隊が断崖を登ったり、あっという間に吊り橋を完成させて馬はおろか荷物運搬用ロバまで一緒に艱難辛苦の道程をさせるなど苦笑しかない展開も、それを上回るニクい演出と進行には頭が下がる。

しかも出演陣もB級マニアなら歓喜の涙を流しかねない面々が揃っているのも魅力的。

そんな出演者たちが、本作ではどのように退場していくのだろうかという『死に際』にも着目である。バカにしているのかと思わせるものや、万感極まる退場などありがちで気を衒ってはいないが、だからこそ、この内容で良くぞここまで仕上げたと驚く。

特にクライマックスの戦闘場面は緩急の付いた動と静の見事なる編集のリズムで一気に見せてくる。その際に挿入されるいかにもマカロニ風な場面も愛おしく感じさせるから何とも面白い。

私怨優先な主人公の残虐性と道理無視の作品ながら、個人的にはツボでしかない快調なるB級西部劇。

余談雑談 2026年8月29日
亜熱帯性気候の日本。千葉県での豪雨は矢鱈と報道された。それに近いのが東京都心でも起きる。先立ての土曜日、自分は新橋の酒場で夕刻から呑んでいたが、これから雨の本番だという周囲の話を聞いた。確かに、緩急こそあったが降るときのあまりの強さに閉口し...