野獣は放たれた  - LE FAUVE EST LACHE(1959年)

メルマガ会員限定
画像を表示するにはメルマガでお知らせしたパスワードを入力してください。

スタッフ
監督:モーリス・ラブロ
製作:フランソワ・シャヴァーヌ
脚本:F・シャヴァーヌ、クロード・ソーテ、F・ダール
撮影:ピエール・プティ
音楽:ジョルジュ・ヴァン・パリス

キャスト
ラミアーニ / リノ・ヴァンチュラ
ナディーン / エステラ・ブラン
マルー / ポール・フランク─ル
ポーラン / フランソワ・ショーメ
ピエレット / ナディーヌ・アラリ
大佐 / アルフレッド・アダム
ルイージ / ユージン・デッカース
ドナルド / ジェス・ハーン
カミーユ / マーゴ・ライオン

日本公開: 1959年
製作国: フランス ゴーモン作品
配給: 東和


あらすじとコメント

大の御贔屓俳優リノ・ヴァンチュラ。今回は元ヤクザがスパイ的行為を強要される話。彼にしてはそれなりの派手なアクションが堪能できる娯楽作。

フランス、パリ

国防省からでてきた技師が狙撃された。その夜、突如、妻と二人の子供を持ち繁盛するレストランを営むラミアーニ(リノ・ヴァンチュラ)の店に旧知のポーラン(フランソワ・ショーメ)が訪ねて来た。

不快感をあらわにするラミアーニ。何故なら彼は以前、偽造紙幣での逮捕歴があり、それを知る秘密警察の人間だったからだ。そのポーランは、上司に会えと告げる。断るがそれでも相手は国家警察だ。仕方なく会うことにした。

密かに会いに出掛けると国家機密の新兵器の燃料図式が盗まれたのだと。しかも作成者の技師が射殺されたので、その図式のみしか現存せず、敵の手に渡ると大問題になる。つまりは取り返して欲しいと。

何故自分にと不思議がるラミアーニだが、どうやら犯人は彼と旧知の仲間マルー(ポール・フランクール)らしいからだと。昔の仲間なら尚更嫌だと断る。すると突然レストランに警察の捜査が入り偽札を発見したと逮捕されてしまい・・・

機密図式を巡る争奪戦に巻き込まれる元ヤクザの活躍を描くアクション。

折角裏社会から足を洗い順風満帆になった男を政府機関が国家権力を使って、無理矢理スパイに仕立てる。

何故なら機密書類を盗んだのが主人公の旧知の仲間らしいから。

この「らしいから」が物語をややこしくしていくのだが、特段凝った筋運びではない。

そもそも元ヤクザで、演じるのがリノ・ヴァンチュラならスマートな知的戦術で危機を乗り切っていくはずがない。

つまり、直情型ゆえに腕力でねじ伏せていく強硬型しかありえないから。しかも国家機密書類であるがゆえに、アメリカの胡散臭い弁護士や、そもそもその図式を高額で買い取るはずであったギャング団も絡んでくる。

さて、旧友はどうなのかがカギを握るのだが、その旧友は若いネイリストと結婚し名士になっているので、探りを入れ続けていくしかないという進行。そこに所々で銃撃や暴力といった活劇アクションが散りばめられていく。

ストーリィとしてはヒッチコック映画ばりに主人公の巻き込まれ型なのだが、あくまでヴァンチュラゆえに憐憫性を喚起させないところに逆な魅力がある。

事実、ヴァンチュラは本作に似た設定の「情報(ねた)は俺が貰った」(1959)で、同じような情報部員を演じているので、それと混同する人間がいるかもしれない。

何故ならどちらも、いかにもヴァンチュラらしい演じ方と描き方だから。

本作はノルマンディー地方の断崖絶壁を上手く利用したサスペンス場面や、終盤で無事完了と思わせた後に更なる展開もあり、そこでこそのヴァンチュラという存在が輝く活躍にニンマリとしてしまった。

大成功とは言えないが、それなりにまとまったノワール・アクションだと感じる。

余談雑談 2026年9月26日
定番についてだが。変わらぬことが好きがベースではある。とはいえ、食べ物に関しては些か話が違う。例えばチェーン店などは、いつ行っても同じものしか頼まない、ところが個人経営で飲酒も嫌がられない好きな店は定番を頼まず、限定そうなメニューを頼む。一...