三社祭が終わり、地元は静けさを取り戻した。とはいっても、観光客は相変わらず多いのだが、地元住民の方々には、虚脱感が拡がっているという印象である。
やはり、神輿を担ぎにくる人たちが楽しく過ごせるように、気を揉むからだろうか。どの道、興奮のトランス状態的雰囲気が苦手な自分としては、我関せずなのだが。
今週、次にやって来たのは、川向こうの最長電波塔の開業一周年だ。しかも、当日は荒れ模様の天候だった。何度も雷鳴が轟き、一瞬にして、電波塔が視界から消えるほどの雷雨。
そういえば、一年前の開業当日も雨が降ったような気もする。何とはなく、前途多難かもと思った。
それが当たったわけでもなかろうが、当初の一年度目標より来場者が25万人も少ないとか。
諸事情もあろうが、一々の価格設定が高過ぎると、誰もが口を揃えて仰る。入場料、飲食、土産物等が、とてもじゃないが、サンダル履き感覚で買えないと。場所柄をわきまえろと言い切った方もいた。
そうはいっても、ビジネスだ。近隣住民よりも、遠方から、わざわざ一度だけでも来る観光客に重点を置いているのだろう。売っている物だって、下町らしい値頃感よりも、職人技が光る逸品の方がイメージもよろしい。
ただ、高いというイメージは定着した。そういう情報は早いのだろう。実家のタバコ屋周囲に増えた外国人向け安宿も盛況だが、彼らもそこから見える電波塔を写真には収めるが、登頂したそうな雰囲気はない。
まあ、天気が悪けりゃ、眼下は雲だけだし、風が吹けば、エレベーターも止まる。ある意味、ギャンブルなのかもしれない。
一方、東京タワーは人気だとも聞く。その違いは立地場所かな。それとも、コスト・パフォーマンスか。
どの道、これから梅雨が来る。最長電波塔の展望台も、雲に隠れる日が多くなることだろう。
個人的には、自室の窓から視界を遮るものが少しでも見えなくなるのが幸いだな。