スタッフ
監督:シドニー・ヘイヤーズ
製作:ロジェ・デュシエ
脚本:デヴィッド・パーサル、ジャック・セドン
撮影:アルール・クタール
音楽:ジョルジュ・カルヴァランツ
キャスト
ロックランド / ジョージ・シーガル
エリカ / ウルスラ・アンドレス
ルドウィグ / イアン・ヘンドリー
プランカート / オーソン・ウェルズ
マタキット / ジョニー・セッカ
クレイマー / ハリー・アンドリュース
ホセ / ミシェル・コンスタンタン
トッド / チャールス・ラム
アンドレ / ジョルジュ・ジェレ
日本公開: 1970年
製作国: イギリス・フランス N・パーカー・プロ作品
配給: コロンビア
あらすじとコメント
前回扱った「クレムリン・レター/密書」(1964)に出演したオーソン・ウェルズ。何ともヤラシイ役を好む印象で、ここでもふてぶてしい役で登場してくる。ゲスト出演的でもあるが、本編はいかにものアフリカ系アクション・アドベンチャー。
仏領西アフリカ
1912年、小国が林立していたころ。セネガルと思しき場所にダイヤモンドの採掘利権で王国を築いているクレイマー(ハリー・アンドリュース)がいた。
絶対君主であり、私設警備隊を組織し現地民を奴隷として働かせているが、一人娘エリカ(ウルスラ・アンドレス)のことだけは溺愛している。ただし地質学者であるロックランド(ジョージ・シーガル)と結婚を望んでいるのが気に入らないし、実は警備隊長ルドウィグ(イアン・ヘンドリー)も彼女を狙っていた。
そんな折、最大級のダイヤ『サザン・スター』が見つかり盛大なパーティーが催されるが。突然停電が起きダイヤが消える。直後、ロックランドの親友である現地人が犯人だと誤解され・・・
ダイヤを巡る人間の欲望を描くコメディ系アドヴェンチャー。
忽然と消えた手の平サイズのダイヤ。犯人と誤認された主人公の仲間である黒人は逃走。荘園主は警備隊に追尾捕獲を命令し、主人公もヒロインと二人で助けに向うという展開。
その途中で数々の大冒険が繰り広げられるが前半は妙にコメディ・タッチ。中盤から人間のエゴと欲望が剥き出しになり、猛獣の襲撃なども加速してくる。
こうなると往年の映画ファンなら「インディ・ジョーンズ」シリーズを連想するかもしれない。まさしくその通りなのだが、本来はそれ以前に何度も映画化された「ソロモン王の宝物」からである。
主役のジョージ・シーガルは途中から帽子にカーキ色の上下姿、俗にいう「サファリ・スタイル」になり「ソロモン王」の主人公で冒険家アラン・クォーターメインそっくりの扮装で登場し、男勝りのヒロインが絡み、猛獣の襲撃やら非道な悪役部隊が命まで狙ってくる王道の展開。
その過程で、豹やライオン、象やカバ、ハイエナ等のドキュメンタリー画像を上手く編集し人間が襲われるシーンをスリリングに演出していく。
それなりに娯楽の王道として作劇されているし、ヒロインのウルスラ・アンドレスのヌードでの水浴びというサーヴィスシーンもでて来る。
ただし、原作は何とジュール・ヴェルヌによるもの。尤も、相当加筆している模様。ゆえにかオリジナリティはなく、焼き直しの印象が勝るのは編集上がりの監督でどうにもB級とTVシリーズの印象が強いシドニー・ヘイヤーズの妙な意識の強さに起因すると感じる。
俳優陣の誰もが妙にミスキャストっぽくて苦笑するのだが、コメディとして致し方ないのであろう。それでいて中盤からのリズム感の変調には首を傾げるが。
そんなキャスト陣の中でフランス領の設定ながら、演者がほぼ異国人という中で実際のフランス系のミシェル・コンスタンタンが追尾隊の副官として登場してくるのが微笑ましい。
個人的にはフランスのリー・マーヴィン的位置付けで脇役が多いながら存在感抜群で主役らを常に喰う印象が強い俳優。
その彼が逆に格上俳優たちより目立たない演技を披露していることに苦笑した。
難点も多く見られるが、様々な視点から一応、それなりに見応えのある冒険活劇とも言えようか。


