スタッフ
監督:サイモン・ウィンサー
製作:ダイアン・ナバトフ、デヴィッド・マッデン
脚本:ジーン・クィンターノ、ジム・カウフ
撮影:ラッセル・ボイド
音楽:デヴィッド・ニューマン
キャスト
ケイヒル大尉 / ダニー・グローヴァー
ドイル大尉 / レイ・リオッタ
プール中尉 / デニス・リアリー
アシュフォード / ダグ・E・ダグ
ファーリー / コリン・ネメック
リン / ディン・ティエン・ル
ゴダール船長 / チェッキー・カリョ
グエン大佐 / ホアン・リー
ペダーソン大佐 / マーシャル・ベル
日本公開: 未公開
製作国: アメリカ W・ディズニー作品
配給: なし
あらすじとコメント
「脱走山脈」(1968)は象を連れてスイスへ脱走を図る戦争映画だった。今回も象と一緒に移動する兵士たちを描く実話の映画化作。
南ヴェトナム 某山間部
1968年、北ヴェトナム軍と交戦中のアメリカ軍。頻繁に変わる敵の軍事物資輸送ルート情報の収集拠点として親米派の寒村に駐留するケイヒル大尉(ダニー・グローヴァ─)。
その彼の後任にドイル大尉(レイ・リオッタ)が、遠路遥々やって来た。現地の流儀を重んじ、それに則って信頼を得てきたケイヒルは自分と同様にと進言するが、合理的なドイルは野蛮人だぞとバカにする始末。
そして二人が偵察中に北ヴェトナム軍が村にやって来てドイルが持ち込んだチョコの袋を発見。アメリカに協力してるなと脅され、見せしめに村民を処刑すると言いだす。何とか善処をと懇願する村長。結果として『神の使い』と呼ぶ神聖な象が射殺されてしまう。村に戻ったドイルに対し「あんたは疫病神で、身勝手な価値感の所為だ」と怒りを買ってしまう。
そして近々祭礼があり、焦ったケイヒルは別な象を連れてくると言ってしまって・・・
実話を元にしたリアルなお伽噺的ハートウォーミング作。
寒村の協力なしでは貴重な情報が得られなくなる。焦って基地に戻った二人だが、先任者は代わりの象が必須と説き伏せるあたりから、妙にニヤニヤが沸き上がってくる展開。
先ず主人公二人の性格の違いに始まり、象の調達に『闇商売』を平気でする調達担当、補助要員には除隊間近で厭戦気分の兵士に、実家が牛農場だからと選抜された気弱な兵士という、間違いなくトラブルが続出するだろうなというメンツが揃う。
そして象の調達に行くと専従世話係の少年が加わっての道行き。
祭礼の日が決まっているので、当初は何と輸送機で運ぼうとするが、村の近くの滑走路は敵に破壊されており、離れた場所へしか飛べない。それに、そもそも動かない弾薬などと違い、動く象など運べないという輸送機側。
それでも何とか乗せるが暴れだし不時着。さて、まだまだ道は遠く全路を徒歩で行くのは不可能であると、次から次へと難題山積の展開で何とも面白い。
先ずもって象を連れて戦争中の国を移動なんぞ不可能にして不可思議なこと。
何せ見知らぬ土地の現地民の誰が味方か敵かも分からないし、密かに隠れるように移動など完全に不可能である。
それでも「一応アリだな」的展開を見せていく過程で米軍兵士側にも別感情が芽生えたり、象の世話係の少年と象との関係性など、涙腺が緩む設定もある。
それでいてセクシー系美女など登場させないのが流石のディズニー作と感じさせる。
筋運びの妙や、それなりに適役と感じさせる出演陣。特撮部分は苦笑してしまうが、嫌やな気はしないから不思議。
しかし、何と言っても象の名演が光る。調教されているとはいえ、人間との意思疎通さえ見事に感じさせ微笑みの連続。
完全にファミリー向けに作られた作品で、戦闘場面や象の暴走シーンなどバランスも取れており、感動話として良くまとまっている。


