太陽を盗め  - DUFFY(1968年)

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スタッフ
監督:ロバート・パリッシュ
製作:マーティン・マヌリス
脚本:ドナルド・キャメル、ハリー・J・ブラウンJr
撮影:オットー・ヘラー
音楽:アーニー・フリーマン

キャスト
ダフィ─ / ジェームス・コバーン
カルヴァート / ジェームス・メイソン
ステファン / ジェームス・フォックス
セゴレーヌ / スザンナ・ヨーク
アントニー / ジョン・アルダートン
ガラン警部 / アンドレ・マランヌ
ポニヴェ / カール・デューリング
アブドゥル / マーヌ・メイトランド
バキルギアン / ハリー・ショージン

日本公開: 1969年
製作国: イギリス、アメリカ M・マヌリス・プロ作品
配給: コロンビア


あらすじとコメント

アクション系からコメディまでこなす俳優ジェームス・コバーン。60年代後半から70年代と大作ではないものの堂々と主役を張ってきた。そんな彼が主演した娯楽作品を取り上げる。

モロッコ、タンジール

イギリスの大海運会社社長カルヴァート(ジェームス・メイソン)は出来の悪い異母兄弟ステファン(ジェームス・フォックス)とアントニー(ジョン・アルダートン)に閉口していた。とは言いつつ、自分は父親の絶対権力を振りかざすような男でもあった。

そんな父親に一泡ふかせようと二人は長兄の恋人セゴレーヌ(スザンナ・ヨーク)にも協力させて、自社の船で大金を運ぶ途中で強奪する計画を立案した。

だが、自分らだけでは内容も遂行も不十分。ならばとかつては名うての船乗りであったダフィ(ジェームス・コバーン)を仲間に引き入れようとして・・・

陽光の下で繰り広げられる観光的泥棒映画。

何をやっても敵わない父親の金を強奪しようとする異母兄弟。

長兄は仕事もせず亡母の遺産で遊んで暮らしているタイプ。弟は真面目だが父親の会社でこき使われている。

つまり、どうにも「食えない」兄弟なので、ゆえに場当り的な計画しか立案できず何とも頼りない。そこに持ってきての主人公である。

現在はヒッピー芸術家として何ともテキトーに暮らす、元船乗りである彼をブレーンとして引き入れる。

主人公は以前密輸に加担しており裏稼業にも精通している。

如何にもタフで、酸いも甘いも噛み分けてきた風情が滲み出る。こういう飄々としつつ、何ともふてぶてしい役を演じるとジェームス・コバーンは光る。

ところがというか当然というか、兄弟を蔑むような言動を取る主人公に反発し、二人は独自案を通そうとして失敗。結局、従うしかなくなっていく。

長兄の恋人もいかにも小悪魔的で主人公に色目を送ったりするからややこしくもなる。

計画は事前に観る側には提示されず断片的な部分から想像させていく作劇。要は観客は兄弟程度の理解力として主人公に翻弄されていく方が面白いという進行。

そんな中で武器は理解できるが、何故に死体安置所の遺体が関係するのかとか謎めいた進行を心掛けていて飽きさせない。

計画実行時も何ともミスなのか、織り込み済みなのかと観客を惑わす演出もあり大作や有名作は輩出させてはいないが、個人的には捨て難い魅力を感じさせるロバート・パリッシュ演出もソツがなく安心できる。

設定はモロッコだが実際にロケが行われたのはスペインのアンダルシア近郊。荒れて灼けた岩肌と碧い海のコントラストが、妙に犯罪自体を明るく見せていると感じさせるカメラ・ワークも見どころ。

また、当時世界で流行っていたヒッピー的文化や、それに付随するエレキ音楽や衣装、突拍子もない近代的な芸術作品といった世情を反映させているのも、逆に懐かしさと鷹揚さがあったと感じさせる。

確かに現在ではこの程度の犯罪計画では映画は制作されないだろうなと感じさせる。

しかし、だからこそ郷愁を感じさせ当時の現地にタイムスリップして訪問してみたいと思わせてくる。

それも記録としての映画の在り方だろう。

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