焼肉が食べたい、と頭をよぎることが増えた。
確か、最後は福島に「おじさん三人旅」で行ったときの馬肉の焼肉だったかもしれない。
となると去年だったかな。今年の旅は栃木だったし、恐らく去年か。
記憶も曖昧だしメリハリのない日常ゆえ、正に十年一日の如し。ということはやはり加齢の所為か。
それ以外は、上野で意を決してランチに入った店が最後。最初は外に掲げてあるメニューを見て安そうなので入った。
安いセット料金に追加系も安く、何よりもランチ生ビールが安かった。ランチには丁度良いと思い、たまに顔を出していた。
ところが半年後位に行ってみたら、何とメニュー注文がスマホ対応になっていた。バーコードを読み込んでスクロールをしながら注文するやつ。
その時は意地でも変更せずと最後の抵抗として折畳式携帯を所持。
これでは注文不可能だ。帰ろうかとも思ったが、店員のオバサンがいて口頭注文ができ、事なきを得た。
しかし、こちらはランチ時の安い生ビールを頼みたいので、何度もそれだけで呼ぶのも憚られる。しかも店員はオバサン独りのみで客も疎らで、自分の席から見えるところにいないと来たもんだ。
仕方ないことだなと小さく頷いた。人口は減少の一途だし何回もここで嘆いてきたが、若い世代はタイパなりを重視し、俗にいう昔の「3K」的業種は敬遠される。
となると働くのは元気な高齢者か。それでも年々減っていくのも事実。企業なりはそれを想定してセルフ・レジとか、スマホで事足りるような時代にしていくしかない。
現金も必要なくなり、交通系カードもスマホに入れる。便利でもあるし労働者がいなくなれば選択肢としては当然。
ところが、スマホ所持者が亡くなった時に面倒が起きると言いだした。
銀行決済の暗証番号など遺族なりが事前に教えてもらってないと開示不可。これは以前から同じともいえる。
自分も経験したが、死亡届をだすと即座に資産締結になるから葬儀代とか当座の必要経費は先に引き出せと葬儀屋に教えられた。
しかも今や複数の銀行口座に分散していたり、暗号資産などに手を出していて家族に知らせてなかったら存在自体が知られない。
老後破産する人もいると聞くし、痴呆症から何度も特殊詐欺に引っ掛かる人もいる。
まあ、所詮心配しても自己責任。性格上、自分自身を信用できなくなると更にスマホに頼りたくなくなる。
知人に聞くとメニューのスマホでの読取り式飲食店に限らず、様々な業種に及ぶとか。となると、そこの焼肉店以外にも行けなくなる店が増加していくのだろうね。
意識的なロビンソン・クルーソーだな。スマホを所持はしているが、電車に乗って座れても一切見ないし、かといって文庫本なども読まない。
しかも寝もしない。一体、何しているんですかと若い人に尋かれた。それは秘密というと、誤解されるだろうな。
なので、素知らぬ顔で人間観察と云う。これも疑惑対象者か。
でも、やっぱりこう言われるよな。せめてスマホの操作方法を学べよ、じゃないと飯も食えなくなるぞって。


