スタッフ
監督:バーナード・ジラード
製作:カーター・デ・ヘイヴン三世
脚本:バーナード・ジラード
撮影:ライオネル・リンドン
音楽:スチュー・フィリップス
キャスト
コッチ / ジェームス・コバーン
インガー / カミラ・スパーヴ
ハート / アルド・レイ
スチュワート部長 / ロバート・ウェッバー
マーガレット / ローズ・マリー
フリーダ / ニーナ・ウェイン
アルフレッド / トッド・アームストロング
マリオン / マリアン・マッカーゴ
フェン / マイケル・ストロング
日本公開: 1967年
製作国: アメリカ コロンビア作品
配給: コロンビア
あらすじとコメント
「マッケンナの黄金」(1969)でヒロイン役を演じたカミラ・スパーヴ。スウェーデン出身でいかにもの北欧系美人。そんな彼女が巻き込まれ型の役柄で登場する中々洒落た映画。
アメリカ、ロサンジェルス
収監先の刑務所で犯罪セラピーに来る美人心理学者をたぶらかして仮出所した天才的詐欺師コッチ(ジェームス・コバーン)。彼は早速、新たな計画に着手するべく、すでに恋愛モードになっていた心理学者を嘘で丸め込み、単身LAに乗り込んた。
どうやら絶対に手に入れたい配線図があるようだが相手側は相当な額を要求。当然、出所直後でそれほどの大金はない。すると物怖じすることなく高額報酬の遺体運搬手としてデンヴァーに行き、続いて邸宅勤務者用のメイド服専門店に就職。
すぐに某大邸宅のメイドを篭絡し屋敷に潜り込むと金品を強奪。しかも三つの邸宅を一晩で荒らすほど大胆だが、メイドたちは夢うつつで何も覚えていない始末。
故売屋に盗品を買い取らせると、すぐさまボストンへ。今度は「害虫駆除業者」として老未亡人の屋敷に潜入。
そこでは美人で独身の秘書インガー(カミラ・スパーヴ)に目を付け・・・
天才詐欺師が目論む奇想天外な泥棒譚。
魅力的な色男。美女にばかり強いと思わせながら番犬をも一瞬にしてたらし込む力量。
何ともスマートでヤらしいタイプだ。しかも仮釈放中のため別々な場所で犯行を重ね重要機密の配電図をやっと手に入れる。
中々洒落た前半部で、計画の一部として美人秘書であるヒロインと結婚しようと言ってLAに乗り込んでくる。
どうやら銀行の金庫が狙いのようだが、何故か主人公らの行動と並行して、ソ連の首相がLAに来賓として来るのでアメリカ側警察の天手古舞ぶりが描かれる。
しかも警備部長がエリート意識が高いくせにマヌケという設定。
それらがどう絡んでくるのか。ソ連側もありがちではあるが事前警備調査と称して将軍が来米し、首相とまったく同じ扱いを要求してくるから堪ったもんじゃないアメリカ側。
何故、相当な高額を支払ってまで配電図が欲しいのか。ヒロインは何のために以前の美女たちとは違い、婚約者として連れて来られたのか。
謎めいたことを引き摺りつつの進行で妙に面白い。
主役のコバーンの飄々としてトボけた演技も軽くて良好。後半に登場してくる泥棒仲間役でのアルド・レイの起用も成程適役と思わせる。
何やらそのシークエンスの設定にはコバーンは「大脱走」(1963)と同じ役を連想させるし、アルド・レイは「全市爆砕!」(1959)に通じるものがあり、『楽屋落ち』でもなかろうがニンマリしてしまった。
起伏と展開に難があるものの、全体的にスマートで粋な作劇でテンポも良い印象。ラストも、ありがちとは言え中々イヤミで心和んだ。
大した映画じゃないが、ゴロンと横になって見るには最適な作品ではある。


