スタッフ
監督:サム・ペキンパー
製作:R・M・シャーマン、M・ディーリー、他
脚本:B・W・L・ノートン
撮影:ハリー・ストラドリング Jr
音楽:ジェリー・フィールディング
キャスト
ペンウォルド / クリス・クリストファーソン
メリッサ / アリ・マックグロー
ウォーレス保安官 / アーネスト・ボーグナイン
ピッグ・ペン / バート・ヤング
スパイダー・マイク / フランクリン・アジェイ
アーノルディ / ブライアン・ディヴィス
未亡人 / マッジ・シンクレア
ハスキンス / シーモア・カッセル
ヴァイオレット / キャシー・イェーツ
日本公開: 1978年
製作国: アメリカ EMIフィルム作品
配給: 日本ヘラルド
あらすじとコメント
脇役専門のバート・ヤング。背が小さく小太りな風体で、いかにもアメリカの下層階級でふてぶてしく生きている印象でもあるが、どこかトボけて憎めない役が似合う。本作もそんな印象で登場するアクション巨編。
アメリカ、アリゾナ
大型トレーラーを牽引し大陸横断をするトラック野郎のペンウォルド(クリス・クリストファーソン)は、個人用短波無線でトラック仲間たちと様々な情報を共有しながら走っている。
そんな彼のトラックがメリッサ(アリ・マックグロー)が操るジャガーXKEに追い越され気に食わないが、太刀打ちできるはずもなく、舌打ちしかできない。
そのモヤモヤを引き摺る彼は、トラック仲間のピッグ・ペン(バート・ヤング)ともう一台と合流し、一緒に走ろうと相成った。しかし、その無線を傍受していた彼らを目の敵にするウォーレス保安官(アーネスト・ボーグナイン)。
彼は、仲間に成りすまし無線で取り締まりのない路線があるとニセの情報を流して、ネズミ捕り宜しく彼らが来るのを待った・・・
トラック野郎と警察の攻防を描く大型アクション。
広大なアメリカ大陸だけに走るトラックも、どれもが大型。その迫力たるやスピルバーグの出世作「激突!」(1971)で刷り込み済みである。
本作はそれらの大型トラック&トレーラー軍団が何とも私怨から暴走気味の保安官との攻防戦を迫力たっぷりに描く大作。
何が気に食わないのかトラック仲間と警察が互いに挑発し合い、予想外の大騒動に発展していく内容なのだが、どうにも思考が単純な人々の私的喧嘩に見えてしまう。
監督はヴァイオレンスと哀愁を並立させて、渋い作風に根強いファンがいるサム・ペキンパー。しかしながら本作の3年前に輩出した「キラー・エリート」(1975)あたりから、急激に盛りが過ぎたと感じさせていた。
男たちの悲哀と諦念感を万感迫る態で描くのが得意だったが、彼の作品の常連アーネスボーグナインが分かりやすい敵役で登場してくるのだが、信じ難いオーヴァー・アクトで完全に浮いた演技。
人間よりも本作はトラック軍団の迫力で押してくるのだが、いかんせん「でくの坊」的印象で「激突!」のような車両自体に何かが憑依した態でもない。
結局、単にデカさと総数だけで押してくるのは広大な大地には似合っているのだが、それでもアメフトやラグビーのような小回りはきかないので、単に巨大迫力で押すだけ。戦車のような重火器もないし、派手さもなく単純なる大雑把さでしかない。
要はトラック野郎たちは仲間意識は高いものの、誰もが単純でストレート。結果、人間臭さも感じさせず単なるお友達でワイワイやりたいだけとしか感じさせてくれない。
主演のクリス・クリストファーソンやヒロイン役のアリー・マックグローも何ら映画の協調性を盛り上げる演技でもなく、すべてがバラバラ。
公開当時に劇場で鑑賞してペキンパーらしさがどこにも発揮されてないなと感じ、監督よ何処へ行くのよと頭を抱えた大作。
更にこれは余談だが、本作のTV放映時の吹替でボーグナインを富田耕生がアテたが、ボーグナイン同様に派手に演じすぎて、それ以降の別俳優のアテレコをしても、すべてが合わなくなったとも感じていて、何だかなと追い打ちをかけられもした。
個人的にはボーグナインは雨森雅司が好きだったし。


