スタッフ
監督:リチャード・マーフィ
製作:フレッド・コールマー
脚本:リチャード・マーフィ
撮影:バーネット・ガフィ
音楽:ジョージ・ダニング
キャスト
オライリー軍曹 / アルド・レイ
シェパード大佐 / フィル・ケリー
ミューレンドルフ伍長 / ディック・ヨーク
優子 / 木村美津子
ジョンソン / チャック・コナーズ
吉田神父 / 大川平八郎
優子の父親 / 斎藤達雄
さつみ / 中村玉緒
ジュヌヴィエーヴ / カミーユ・ジャンクレール
日本公開: 1955年
製作国: アメリカ コロンビア作品
配給: コロンビア
あらすじとコメント
「裸者と死者」(1958)で強烈な印象の軍曹役で助演したアルド・レイ。今回はそんな彼が妙に二枚目に見える作品。「裸者と死者」同様、日本軍と戦った歴戦の勇士ながら、まったく違う印象の内容。
日本、大津
1949年、日本を占領統括中のアメリカ。この地には米陸軍歩兵第27連隊に所属するオライリー軍曹(アルド・レイ)がいた。彼は真珠湾から、フィリピン、沖縄と日本軍と戦ってきた歴戦の勇士。謹厳実直だが、瞬間湯沸し器型でもある。
ある晩、大阪の繁華街で日本娘と遊ぶ米軍兵士との喧嘩が発端で大騒ぎに発展。翌朝、上官のシェパード大佐(フィル・ケリー)に呼び付けられ厳重注意を受けた。
面白くない彼は直後、基地内の売店で自分の財布を持っている日本人を見つけて、いきなり泥棒呼ばわりして殴ってしまう。その場にいた通訳の優子(木村美津子)が、相手は吉田(大川平八郎)という神父で喧嘩の際に落としてたものを届けに来ただけだと訳した。
立場のないオライリーは謝罪も兼ねて神父が働く東住吉区の孤児院まで送ることにするが・・・
孤児たちを思いやるとある部隊の活動を描く実話。
駐屯中の部隊。主人公らが所属する隊は第一次大戦時にシベリアで活躍したことから「ウルフハウンズ(狼犬)部隊」と呼ばれていた。
主人公の下士官はそこの広報官であるが、平時でもあり活躍の場がまったくない。
その主人公が劣悪な環境で暮らす孤児たちを見かねて軍事物資である食料を与えたり、部隊内で寄付を募ったり、プロ野球チームの毎日オリオンズとの親善試合を行ったりと救済活動に傾倒していく姿を追っていく。
そこに通訳である日本女性との恋が絡んだりと何とも素直な内容である。
面白いのは全編が大阪ロケで撮影されていて、当時の風景の中で繰り広げられていくのだが、妙に歯痒さを感じた。
何せ主人公を演じているのが、悪役か暴力型な脇役が多いアルド・レイである。
そんな彼が当初こそ、いかにもの役柄で登場するものの途中から改心し、二枚目ぶっていくので妙な感覚になった。
武骨で無学だが根は正直者。確かに彼の起用は頷ける。子供に感化され、恋愛では誤解から自分で自分の首を絞めてしまう。
しかも朝鮮動乱が起き、戦場に赴き負傷したりするから、一応の紆余曲折も描かれる。
事実の映画化だけに相当の脚色も入っているだろうし、日本人側も園を運営するのがあくまでキリスト教の『牧師』であって、日本古来の宗教関係者ではない。
つまり、アメリカ人でも理解しやすい設定。事実、アメリカ軍関係者と日本人女性の色恋は数多くあったし、属国としては素直で健気な国。
そういった点では分かりやすく、偽りを拡散する作品ではないが、妙に複雑な気分になるのも事実な優良案件。


