余談雑談 2015年4月4日

桜が散りだした。風に舞った花びらが、あちらこちらでピンクの絨毯を敷き、散り際の見事さを際立たせている。

これからは、目にも眩しい新緑の季節が到来してくる。また、新年度でもあり、新たなスタートを切る方も多いのだろう。

先立て、それを裏付ける現場に遭遇した。初夏を思わせる午後、住民票が必要なので、在住区役所まで、徒歩で出掛けた。途中の公園や神社で、不意に拡がる満開の桜に目を細めながら到着するともの凄い長蛇の列。

転入転出届の人たちだ。長年、新年度や引っ越しに関係ない人生を送ってきて、何ら実感が湧かなかったが、成程、こういうことなのかと。

また、上野、浅草を抱える場所なので、アジア系の人間も多く見受けられた。まだ日本に慣れていないのか、中国、韓国ではなく、もっと離れた東南アジア系親子が、不安そうに、まったく読めない日本語しかない表記とアナウンスに戸惑っている。

その親子たちには、どのような将来が待っているのであろうか。漫然と眺めていたが、それでも次から次へと書類を求めに来る人々が後を絶たない。

あまりの人の多さに、空いている場所を探した。長いカウンターの一番端で、そこだけ人がいない窓口があった。どうやら、そこには空席があるぞと。人を掻き分け、ひとつだけ空いている席に座った。

すると、その窓口に水商売らしき40歳代の男性がやってきた。憮然というか、虚勢を張っている風情。妙に、流れている空気が違う。

結婚、離婚、出生、死亡届の窓口だった。雰囲気から、恐らくは離婚なのだろう。至って普通を装っているが、どうにも普通じゃない。受け付けている職員は、極々、淡々と処理をしていた。

彼にも、これから新しい人生があるのだろう。30分近く待って、やっと住民票を受け取って外へ出た。敷地内にある満開の桜を目を細めて見つめる自転車に乗ったままの老人がいた。もう、満開だよなと小さな声が聞こえた。

誰にどのような状況が来ても、やっぱり春も来る。

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