友人から譲り受けたBDレコーダー。以来、録画のためにBSを含めたTV番組表を熟読するようになり、矢鱈と「旅番組」が多いと思うようになった。
そんな中、ドイツの若者が四国でのお遍路に憧れ、徒歩で廻る旅に同行する番組を見た。
少し、オタクっぽい印象であったが、もう一人の仲間と一緒。情報に触れる機会が増え、京都に始まり、秋葉原など、多様化した中での憧れだろうか。
日本では、昔、アメリカ製TVドラマで、国道66号線をシカゴからLAまでポンコツ車で横断する「ルート66」に憧れた人も多い。自国では経験できないことに夢を重ねた。
しかし、『お遍路』である。拝礼の仕方、衣装など、何も知らないので道々尋きながら、真摯に他国の文化に敬意を表し、一々、驚きながらの道中に見入った。
予算も少ないので、野宿しつつ、途中、ヒッチハイクで繋いだりと、自国ながら、自分では一生行かないだろうなと考えながら他方で、異国での体験は彼らに、どんな影響を与えるのだろうかと思った。
自分の小学時代の友人にも、自転車一台で世界一周をして、辿り着いたアジアの小国に永住を決めた男もいる。
地元でも、バックパッカーが安宿を探し、場所を尋ねられることもある。どこか飄々としながらも逞しい印象。ただ、彼らが持つのはガイド・ブックではなくスマート・フォンである。
変わることと変わらぬもの。若者たちの憧れは情報細分化で変化するのか。それとも同じことを何十年も継承していくのか。「自分探し」や「異国での経験値」。
否や、何も旅にでなくとも、バーチャルで充分理解できると思う若者もいるに違いない。価値観はそれぞれだ。
それでも、場所の空気感が妙に馴染んだりというか、ウマが合うと感じる人間と知り合うのも人生の醍醐味である。こればかりは3D画面やメールといったツールではなく、直接、触れることが最良だと思う。異国にしろ、人間にしろ。
人生、何が起きるか解らない。先立て、ハワイの読者さんと飲んだ時と同じように。まさか、今更、海外在住の方と知り合い、一献交えるとは思ってもいなかったように。
変わることと変わらぬもの。健康増進や食中毒リスクで、喫煙や生食が規制され続ける。
否や、法規制などなくても、価値観の細分化で、異文化や対人関係にも自己規制や『寛容』という名の無関心になる人間も増加した気もする。益々、些細な実体験に、感動も、関心もなくなる若者も増加するのだろうか。そういう出会いや経験が好きな人間には、嫌な時代になっていくのだろう。
だが、劣化し続ける地球環境下で、健康リスクを抑えるのは当然か。
かといって、何もせずに手元に手繰り寄せ、行ったつもり、経験したつもりと思っている実力と、実際の経験の積み重ねから得る人生とは別な気もする。
まあ、進化を上手く取り入れつつ、実体験というのがベターなのだ、というのが大人的着地点か。
でもな、そんなバランスの取れた人間にはなりたくはないな。時流に乗っていくと、喫煙者は減り、実家のタバコ屋の売り上げも落ち、更に、大好きな豚内臓の生食まで規制される。
何が時代だ。


