スタッフ
監督:ロバート・ワイズ
製作:ウォルター・ウェンジャー
脚本:ネルソン・ギディング、ドン・マンキウィッツ
撮影:ライオネル・リンドン
音楽:ジョニー・マンデル
キャスト
バーバラ / スーザン・ヘイワード
モンゴメリー / サイモン・オークランド
パームバーグ / セオドア・バイケル
ペグ / ヴァージニア・ヴィンセント
グラハム / ウェスリー・ロウ
パーキンス / フィリップ・クーリッジ
キング / ジェームス・フィルブルック
看護師バーバラ / アリス・バックス
ミルトン / バートレット・ロビンソン
日本公開: 1959年
製作国: アメリカ フィガロ作品
配給: ユナイト 松竹
あらすじとコメント
モダン・ジャズと映画の融合。今回はアメリカ映画にする。底辺でしか生きてこられなかった女の人生を描く実話。
アメリカ、カリフォルニア売春婦のバーバラ(スーザン・ヘイワード)は、三度の離婚を繰り返し、顧客や仲間のためなら多少の違法行為など気にしないタイプだ。
そんな彼女はバーテンの男に惚れて再婚し、念願だった一児を儲ける。しかし、亭主は段々と本性を露わにし、仕事を辞めギャンブルと薬物に溺れ、赤子用の金まで使い込むようになってしまった。確かに売春婦であり、他人様に誇れるような教養もないが、それでも、子供だけは立派に育てたいと願っていたバーバラ。
遂に、堪忍袋の緒が切れて亭主を追いだしてしまった。食事代もなくなった彼女は仕方なしに前科者の仲間たちに助けを乞いに行く。しかし、そいつらは金品強奪目的で侵入した家で、61歳の未亡人を殺害していたのだ。
そんなことは全く知らないバーバラだったが、一緒にいたところで警察に逮捕されて・・・
教養がなく、本能の赴くがままに生きてきた女性を描く問題作。
親の愛も知らずに成長し、若年代から身を売って生きてきたヒロイン。
念願だった子供を持ち、母性が目覚めるが、誤認逮捕されてしまう。
その後も、官憲の上から目線が大嫌いで、本能で生きるヒロインは直情的言動をするものだから、当然の帰結ながら『巻き込まれ型』の展開を見せていく。
無知というか、気の良いところはあるが、所詮、売春婦と誰からも蔑視される存在。損な選択とは百も承知。それでも自分なりのタフさで生きていこうとする。
しかし、そこに健気さはない。まるで、全ての大人や男たちが、彼女をそうさせたとも思わせるのだが。
何とも素直に肩入れして良いのかという観る側の常識度が試されるとも感じた。
しかも、一緒に逮捕された男たちは、保身から彼女こそ主犯で殺人犯だと証言し、益々窮地に陥っていくヒロイン。
だが彼女は金もないので、腕の良い弁護士が雇えないし、今までの経験から、記者や医者までも敵だと思い込み、牙をむいていく。
結果として、孤立していく展開。しかも、これは実話であると本作に登場してくる記者が実名で冒頭とラストに署名入りで表記している。
つまり、観客はどんでん返し的な結末がないことを知った上で見ていくしかない。
ロバート・ワイズのシャープな演出に当時人気絶頂だったモダンジャズのプレイヤーを起用し、緊張感を掻き立てていく。
主役を演じたスーザン・ヘイワードの鬼気迫る熱演も映画を盛り立てている。ただし、かなりオーバーアクト。
それでも彼女の代表作であろうし、アカデミー主演女優賞を獲得している。
不幸で不運な女性の話だが、身からでた錆の感が拭えないので、複雑になるドラマ。


