スタッフ
監督:岡本喜八
製作:田中友幸
脚本:関沢新一
撮影:小泉福造
音楽:佐藤勝
キャスト
草鹿次郎 / 加山雄三
須藤健 / 佐藤充
東 / 三橋達也
小松静夫 / 中谷一郎
志満明 / 中丸忠雄
三次 / ミッキー・カーチス
大島勇策 / 河津清三郎
トミ / 水野久美
小松杏子 / 浜美枝
女歌手 / 島崎雪子
製作国: 日本 東宝映画
配給: 東宝
あらすじとコメント
大好きな日本の監督岡本喜八。彼の遊び心満載の痛快なB級アクションドラマ。
東京、世田谷新車性能テスト中に謎の死を遂げたドライバー。そのドライバーが実兄のため、真実を探そうと所属してた研究所を訪ねてくる弟の草鹿(加山雄三)。そこの所長から、もしかしたら産業スパイの仕業かもしれぬと聞かされ、勝手に調査に乗りだした。
すると大学時代に野球でバッテリーを組んでいて、今はゴシップ誌の社長須藤(佐藤充)と再会した。須藤もその情報を聞いていて、それは経済研究所を名乗る総会屋の大島(河津清三郎)や、キャバレーを隠れ蓑にする新興ヤクザ組織が絡んでいると踏んでいた。
二人は勝手に調査を始め、次々と問題を起こしていく。結果、警察の東(三橋達也)に目を付けられて・・・
産業スパイや利権といった複数の犯罪が絡むコメディ・アクション佳作。
テスト・ドライバーの兄の死を切っ掛けに、弟が自動車開発者やゴシップ三流誌の男、どこか昼行燈的な刑事らと真相を探っていく。
当時、数多く制作された犯罪アクション作だが、何とも岡本喜八らしい『遊び心』が満載のコメディとして進行していく。
つまり、ストーリィの整合性や暴走加減には目を瞑り、あくまで娯楽作として楽しむ作品。
その点では、流石の喜八である。主人公は捕鯨砲指導員。今では絶滅した職種だが、当然、その設定が後に効いてくる。
主人公の相棒はトップ屋。他に総会屋にキャバレーがヤクザの温床で、怪しげな女歌手やホステスが入り乱れる。そこに『産業スパイ』だ。
何と懐かしい響きのオンパレード。それを独特の編集リズムで繋いでいく愉悦。例えば金庫を開ける回転式ダイヤル数字から、車のメーターが加速していく数字に繋がる。
カメラワークも変幻自在。それらによる「匂わせ」と「端折り感」が、逆に見事だと感じさせる。
出演陣も、ほぼ『喜八一家』が勢揃いし、適材適所の起用で喜八の追っかけファン心をくすぐる。特に本作では、ミッキー・カーチスの頼りになるのか、ならないのか不思議なサブキャラはお見事だ。
他にも、首だけが闇に浮かぶコーラスでのショーの歌曲場面など、実に洒落ていて笑ってしまう。
更に73分の上映時間という、いかにも二本立ての添え物として作られたが、それを逆手にとっての喜八節。
本作封切り時は「大阪城物語」(1961)という三船敏郎主演の豪華巨編との二本立てで正月映画として公開された。
この「正月映画」というのも本作でのオチとして登場してきて爆笑してしまった。
反骨精神に満ちた、いかにも岡本喜八らしい娯楽アクション小品ながら、好きな作品。


