青いドレスの女 – DEVIL IN A BLUE DRESS(1995年)

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スタッフ
監督:カール・フランクリン
製作:ジェシー・ビートン、ゲーリー・ゴーツマン
脚本:カール・フランクリン
撮影:タク・フジモト
音楽:エルマー・バーンスタイン

キャスト
ローリンズ / デンゼル・ワシントン
ダフネ / ジェニファー・ビールス
オルブライト / トム・サイズモア
アレキサンダー / ドン・チードル
テレル / モーリー・チェイキン
カーター / テリー・キニー
コレッタ / リサ・ニコル・カーソン
ジョッピー / メル・ウィンクラー
オデル / アルバート・ホール

日本公開: 1996年
製作国: アメリカ トライスター作品
配給: ソニー・ピクチャース


あらすじとコメント

今回も時代設定が1950代前後のアメリカ製ノワール。本作も第2次ノスタルジー系ノワールで、珍しく黒人の私立探偵の活躍を描くムード溢れる作品。

アメリカ、ロサンジェルス第二次大戦が終わり、3年が経ったころ。真面目な性格だが、黒人ゆえか失業中のローリンズ(デンゼル・ワシントン)は、行きつけの酒場で友人のオーナーから白人のオルブライト(トム・サイズモア)を紹介された。

そして、目下次期市長選に立候補中のカーター(テリー・キニー)の愛人ダフネ(ジェニファー・ビールス)が3万ドルを持ち逃げしているので探しだして欲しいとの依頼を受ける。どうにも胡散臭いというか、きな臭さを感じながらも、やっと建てた新築家屋の借金のために引き受けた。

「彼女は黒人好きだ」というヒントを頼りに調査を開始。先ず、彼女の女友達を探し、カーターの前には黒人ギャングと付き合っていたとの情報を得た。

そして自宅に戻った彼の元に、直接彼女から電話が来て・・・

市長選の裏で蠢く人間模様を描くノワール作品。

善人で真面目だが、黒人ゆえ仕事に恵まれない男。

その彼が私立探偵へとなっていくイージー・ローリング・シリーズ第1作目の映画化である。

場末で真面目に生きる主人公には白人金満家同士の市長選など一向に興味などなく、少しでも良い職に就こうと努力する日々。

そこに、地域には珍しい白人がやって来て、暇を持て余す主人公を認め、失踪人捜査依頼をしてくる。結果、嫌でも市長立候補者片方の愛人絡みの件で事件に巻き込まれていく。

当然、差別が明確にあった時代。相手は名誉欲が強い白人金持ちたち。そこに虐げれらた黒人たちの恨みつらみといった、持って行き場のない不満が渦巻いている。

しかし主人公が首を突っ込んだことによって、その双方から疎まれていく展開。

いかにも優等生俳優の印象があるデンゼル・ワシントンが当たり障りなく主人公を演じ、ファムファタール的印象のジェニファー・ビールスの薄幸そうな華奢な姿が妙味を誘う。

確かに、1970年代に「ブラックスプロイテーション」というアフリカ系黒人が大活躍する映画群が作られた。

しかし、それは虐げらて来た黒人特有のファションや音楽を強調した爆発型娯楽作というイメージが強い。

だが、本作は、その虐げられてきた黒人が、戦後へと時代は進化しつつも、純然と差別されていた時代に設定し、被差別の中での不自由と諦念を絡めて、じっくりと描く作劇。

更にそこに、人種問題でなく、往年のハードボイルドという男女の違いが明確な世界観が際立つ内容にもなっている。

間違いなく、肌の色の違いはあれど、アメリカで生きている『人間』としては同じく、勝者と敗者とが混在し、肌の違いだけで人間性は変わらないという比喩。

素人がプロになる第一歩という設定なので、いささか頼りない主人公ではあるが、ハードボイルドとして新たなキャラクターの誕生というラストの余韻は捨て難い魅力がある。

余談雑談 2020年8月8日
暦の上では「立秋」だと。確かに、昨日は自室のあるフロアの吹き抜け廊下にトンボが止っていて驚いた。つい先立て、梅雨明けで一斉に眼下の公園でセミの大合唱が始まったばかりだぞ。しかし、いきなり酷暑で別な警報が出るし、死に至らないまでも感染者数は増...