僕らのミライへ逆回転 – BE KIND REWIND(2008年)

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スタッフ
監督:ミシェル・ゴンドリー
製作:ジョルジュ・ベルマン
脚本:ミシェル・ゴンドリー
撮影:エレン・クラス
音楽:ジャン・ミシェル・ベルナール

キャスト
ジェリー / ジャック・ブラック
マイク / モス・デフ
フレッチャー / ダニー・グローヴァー
ファレヴィッチ / ミア・ファロー
ミス・ローソン / シガニ─・ウィーヴァー
アルマ / メロニー・ディアス
ウィルソン / アーブ・グーチ
クレイグ / チャンドラー・パーカー
マニー / アージェイ・スミス

日本公開: 2008年
製作国: アメリカ パルチザン・フィルム作品
配給: 東北新社


あらすじとコメント

前回の「クライム&ダイヤモンド」(2001)では、主役以上に目立った「熱狂的映画ファン」の殺し屋。今回も、映画ファンなら堪らない映画愛に満ちた作品をチョイスした。

アメリカ、ニュー・ジャージー時代の流れに乗れず、ビデオしか扱っていないレンタル店。そこのオーナーはフレッチャー(ダニー・グローヴァー)で、完全な赤字経営だ。しかも、役所からは大規模改修か立ち退きかを迫られていた。

そんな彼の自慢は20年代に大活躍したジャズ・ピアニストのファッツ・ウォーラーの生家だということ。ただし、真偽のほどは定かではない。

そこには店員マイク(モス・デフ)が働いており、彼の親友で廃車置場に住むジェリー(ジャック・ブラック)が入り浸っていた。変わり者のジェリーは近くの変電所から強力電磁波が放射されていて、悪影響を及ぼされているというのがいつもの口癖。

どうしても変電所を破壊しなければならないと決意した彼はマイクを半ば強制的に引き入れ、施設内に侵入。

ところが、ジェリーが強烈な電磁波を浴びてしまい・・・

映画ファンなら嬉々として見ていけるコメディ作品。

電磁波を浴びて、気付かぬままレンタルビデオ店の総ての貸出用ビデオを消去してしまった男。慌てたのは親友の店員。

しかもオーナーは、憧れの存在で、ここが生家と言い張るピアニストの生誕祭に出向いていたから、さあ大変という展開。

レンタルしに来た客を誤魔化すため、自分らで新たに撮影してしまえ、という展開と相成る。

とはいっても、たった二人で時間制限がある中で、ビデオ・カメラでの製作である。

客は未見のため、次はこの作品を借りたいと言うもんだから、慌ててその作品をテキトーに作る。しかも、それをスェーデンからの逆輸入と嘘を付いたことで、逆に面白いと評判になり、顧客が増加していく。

二人だけでは限界があると、女優を夢見る女性を引き入れ、更に彼らの暴走に加速度がかかっていく進行。

つまり、観る側の映画知識があることが前提という作品。

この作品の視点が面白いのは、超映画マニアでなく、話題作的「映画好き」を対象に、クラシカルな映画は外していること。

先ず、彼らがパクるのが「ゴースト・バスターズ」(1984)。続いて「ラッシュアワー2」(2001)、「ロボコップ」(1987)など。

それとは別にオーナーが崇拝するのが、伝説的ジャズ・ピアニストのファッツ・ウォーラーというギャップ。

その時代のジャズ好きの自分としては、流石の選択だと唸り、ヒット作である映画の数々をパクる作劇も、練った内容よりアイディア勝負というか、ホームビデオで低予算の20分ほどの内容で作ろうとする視点も、学生時代に8ミリで映画を作って来た自分には、思わずタイム・スリップさせられた。

そもそも、DVDが主流の当時に、一昔前というか、敢えて古風にこだわるという視点と作劇に微笑んだ。

ただし、現在では、「著作権」があり、素人といえども、それは「コピー」とか「海賊盤」と訴訟対象になるのでは、と感じた。

そういったことも見越してこそのコメディかと思っていると、ベタなありがちな展開になり、逆にそれこそが昔風のウエルメイドな映画の方向に進んでいく。

アクの強いジャック・ブラックのコメディ演技が、反作用としてモス・デフとのボケとツッコミの絶妙の漫才的バランスが取れたと感じる。

鑑賞好きの映画ファンよりも、映画製作に惹かれた人間には、感慨を思い起こさせるコメディ。

余談雑談 2018年1月20日
来月下旬に行く奥日光の温泉旅行。そろそろ予約の最終確認だなと。なので参加予定者や未回答の仲間に連絡を入れた。 すると、新規参加者の他に、行きたいが行けぬという仲間が出てきた。 その人は、仕事が休めないと。常務取締役まで頑張り、退職後、全く違