5つの銅貨 – THE FIVE PENNIES(1959年)

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スタッフ
監督:メルヴィン・シェイヴルソン
製作:ジャック・ローズ
脚本:ジャック・ローズ、M・シェイヴルソン
撮影:ダニエル・L・ファッブ
音楽:リース・スティーヴンス

キャスト
ニコルズ / ダニー・ケイ
ウィラ / バーバラ・ベル・ゲディス
ヴァラーニ / ハリー・ガーディノ
ルイ・アームストロング / 本人
パラダイス / ボプ・クロスビー
シャット / ボビー・トゥループ
ドロシー13歳時 / チュースディ・ウェルド
ドーシー / レイ・アンソニー
タフ / シェリー・マン

日本公開: 1960年
製作国: アメリカ パラマウント作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

実在したジャズ・ミュージシャンの作品。今回はコルネット奏者で、家族愛に満ちた人情音楽映画の佳作。

アメリカ、ニュー・ヨーク

禁酒法下の1924年、ユタの田舎から夢見る青年ニコルズ(ダニー・ケイ)がやってきた。彼は地元ではトランペットに似た楽器コルネット奏者として名を馳せてはいたが、大都会では有象無象の一人にすぎなかった。

それでも楽天家であり、何とかなるさと有名なウィル・パラダイス楽団の門戸を叩いた。いぶかしがられるが、ギター弾きのヴァラーニ(ハリー・ガーディノ)の口添えもあり、試験的に入団が決まった。

だが、ヴァラーニは彼を合コンの員数合わせにと思ってのことだった。それでも一つの夢が叶ったと喜ぶニコルズ。そしてすぐに合コンに呼ばれコーラス・ガールのウィラ(バーバラ・ベル・ゲディス)と知り合うが、彼女は彼を田舎者と蔑み相手にしようとしなかった。

ところが、皆で入った違法酒場で有名ジャズマンのルイ・アームストロング(彼自身)の演奏に感動し、酔った勢いでニコルズが飛び入りをして・・・

実在したジャズマンの家族愛や友人愛を心温まるタッチで描く佳作。

田舎出の青年と洗練されたコーラス・ガール。主人公は真面目な性格で音楽には譜面が必要と考えるタイプ。ところが、当時流行っていたジャズは即興演奏で二度と同じセッションが出来ないジャンル。それなのに真面目に取り組もうとする性格。

そこからして一筋縄ではいかないぞと感じさせるが、サッチモことルイ・アームストロングとの即興合戦でヒロインの目の色が一瞬にして変わり、めでたく二人はゴールイン。

やがて自分の楽団を持ち人気を博して地方巡業に廻る日々。一女を儲けるが巡業同行はよろしくないと寄宿学校に預けたことが結果、愛娘に悲劇が襲い掛かるという筋運び。

デキシーランド・ジャズの隆盛に乗り、後に有名になるグレン・ミラーやトミー・ドーシ─といったジャズマンを雇い親交を深めたりするので、何ともゴキゲンなサウンドが繰り広げられる中、悲劇的な出来事が絡むという、実に起承転結に飛んだ進行を見せ、映像表現も中々凝っていて次への場面転換などもスムースで心地良い。

とはいっても、かなり脚色された内容で本人自体は、これほどの美談的人物でもなかったようだ。しかし、それはそれとして映画は夢を売るビジネスとして割り切って鑑賞すると作劇的にはとても上手い印象で飽きさせないのも事実。

元来ボードビリアンで芸達者なダニー・ケイがサッチモと実に楽しいセッションを繰り広げたり、そのサッチモ自身がかなり重要な本人役で絡んでくるのもジャズ・ファンとしては印象深い。

この手のタッチで作られた作品は悲劇的に終わるはずもなく、ラストなどそれまでのこれでもかというトラブルが昇華していくときに流れる音楽など、涙なしには観られなかった。

ジャズというホットでスムースな音楽とメリハリの利いた展開で心に残る作品。

余談雑談 2024年9月7日
人間あきらめが肝要ですかね。 お米が足りないと仰る。少し前にはパンやパスタが隆盛でコメ消費は減る一方で、減反政策なりが続くとも聞いた覚えがある。 この国は人口が急速に減っているし、主食系の選択肢もかなり増えているので当然だとも。そもそもご飯