今回の都々逸。
「褒めて持ち上げお酒を注いで その気になる頃水をさす」
なるほど、『水』商売ってなことですな。女性が酌をしてくれたり、話し相手になってくれる類の店には足繁く通ったり、適度以上の酒を飲むと余計な心持ちが鎌首をもたげるのが男というものでしょうか。
尤も、そう思わせて通わせて金を使わせるのが商売ですから。じらしにじらして、ハイそれまでョが正解。そう簡単に色恋が起きたら、逆にきっと上手く行くという妄想力以上の現実的地獄が待っていたりするかも。
それでも飲んだ勢いとか酒は酔うために飲むとかいう御仁の中には大上段から押し倒そうとか、冷静を保った振りをして善意の待ち伏せだと言い張っても、「怖いお兄さん」がどこからともなく登場したり、録画でもされて『強制的合意前提の話し合い』へ誘導されたり。
結局、怖いものは怖いのです。それを承知で飲みに行き、良い具合で引き際を知っているのが「通人」とか「粋筋」とか呼ばれたのは昭和中期ごろまでかな。それだって上手くいく人は少なかったのでしょう。
酒だけ好きなら角打ちや酒屋で買って家で飲みゃ良いだけだ。それじゃ、寂しいから他人と話せる店に行く。安酒場なら見知らぬ男同士で。そこに女性なんぞ来ようものなら、これ幸いと話し掛ける。でも、奢らないのは野暮というもの。
少しでもモテたきゃ金使えの世界です。でなきゃ、女性のいる店に行かないこと。その分、酒代に回せるってもんです。
でも、酒呑まぬ人には関係ないか。否や、下戸だから女性にだけ飲ませて金使って、シラフだからこそ口説けるとか仰る御仁もいるのかね。
どの道、高い金だし、思い起こしてもどれだけ「高い授業料」を払ってきたのか。それでも刃傷沙汰がなかっただけマシか。
まあ、自分で自分に水差しゃ問題ないよな。それが高い授業料の学習効果て、か。


