青の恐怖 – GREEN FOR DANGER(1946年)

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スタッフ
監督:シドニー・ギリアット
製作:フランク・ローンダー
脚本:クロード・ガーネィ、S・ギリアット
撮影:ウィルキー・クーパー
音楽:ウィリアム・アーウィン

キャスト
イーサン / レオ・ゲン
バーンズ / トレヴァー・ハワード
コックリル警部 / アラステア・シム
ベイツ / ジュディ・キャンベル
サンスン / ロザムンド・ジョン
リンレイ / サリー・グレイ
ウッズ / メッグス・ジェンキンス
ホワイト / ロナルド・アダム
ヒギンス / ムーア・マリオット

日本公開: 1948年
製作国: イギリス アーサー・ランク作品
配給: BCFC、NCC


あらすじとコメント

前回の「乱闘街」(1947)で、軽妙なコメディ演技を披露したアラステア・シム。昨今では、まったく忘れ去られた俳優であるが、そんな彼が刑事役に挑戦した犯罪サスペンス。監督は、本作の後に、傑作「絶壁の彼方に」(1950)を撮るシドニー・ギリアット。さて、どんな作品に仕上がっているのか。

イギリス、ロンドン郊外。1944年8月、ドイツのM-1ロケットがロンドンを空爆していた頃。ヘロン・パーク病院に、足に被弾し怪我をした郵便配達夫が、運ばれてきた。翌朝、手術が執行される。医師イーデン(レオ・ゲン)が執刀し、内科医のバーンズ(トレヴァー・ハワード)が麻酔を担当し、看護師三人が立ち会って手術が開始されたが、患者が急死してしまう。

その晩、スタッフ慰労パーティーがあり、手術に立ち会った婦長が、あれは殺人で、自分は犯人を知っていると騒いだ後、殺害される事件が発生。

翌日、警視庁からコックリル警部(アラステア・シム)が、やって来て・・・

医療現場で起きる連続殺人を描く先駆的作品。

先ず、二人のドクターと、彼らと一緒に働く看護師たち、それぞれの人間模様が描かれる。当然、恋仲であったり、横恋慕ありの世界である。

ここいらは、ありがちな展開。ところが、執刀前に元気であった患者の様態が急変し、死亡。だが、医師たちは自分らに落ち度はなかったと。このあたりから、徐々に話が盛上る。

やがて、その夜、手術に立ち会った婦長が殺害されるに及んで、突然、変調する。意味深なアップが挿入されたり、絶妙な照明による、これぞ白黒映画の醍醐味といった画面構成で話が進展していく。

ここのタッチは、流石、絶頂期のイギリス映画であり、本作後に、映画史上に燦然と輝くサスペンス・スリラーの傑作中の傑作「絶壁の彼方に」を世にだすシドニー・ギリアット監督の片鱗が伺える。

しかし、その直後、またもや変調。今度はいきなりコメディ・タッチなのである。それは、どうにも垢抜けない警部の登場によってである。

禿げ頭で幾分か残る髪の毛はボサボサ。コウモリ傘にカバンを刺し、まるで飛脚のような格好で登場。しかも、M-1ミサイルの音がすると慌てて逃げだす。

「刑事コロンボ」の先駆けのような印象。ところが、その警部が実はキレ者というのも、以後、この手の刑事モノに影響を与えたのだ。

それから看護師のひとりが殺されそうになり、また、手術が必要になる。そこで、再度、同じメンバーで手術が再現される。しかし、今度は警部と病院長が立ち会う。

で、当然、また、患者である看護師の様態が急変という展開。

ただ、昨今はTVドラマなどでも「医療推理モノ」が、かなり作られているので、展開や犯人探しの想像は付きやすい。

そのあたりは流石に時代性を感じざるを得ないが、本作の白眉はラストのオチである。当然、ここでは書けないのだが、流石のイギリス映画なのだ。

ヒッチコックがイギリス出身であると思い起こさせてくれる作りだし、不倫メロドラマの秀作中の秀作「逢いびき」(1945)で、主役の医師を演じたトレヴァー・ハワードが、その一年後に、同じく医師を演じているのも、イメージが重なり、それだけで自虐ネタかと思わせ、ニヤリとしてしまった。

傑作や佳作とは呼び難いが、イギリス映画の絶頂期を感じさせる一本である。

余談雑談 2013年2月2日
何だか嫌な感じだ。開店して一年半も経っていない、地元初の「ナポリ風石窯ピッツア」の店が閉まった。イタリアが大好きで、北から南と何度も通い、東京でも、あちらこちらのイタリア料理屋を探して通った。だが、こちらの懐具合が、慢性的「北風吹き」状態に...