零戦黒雲一家   昭和37年(1962年)

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スタッフ
監督:舛田利雄
企画:岩井金男
脚本:星川清司、舛田利雄
撮影:山崎善弘
音楽:佐藤勝

キャスト
谷村鴈 / 石原裕次郎
八雲甲三 / 二谷英明
海野貞平 / 大阪志郎
平岩奈美 / 渡辺美佐子
柴田忠一 / 近藤宏
木津辰六 / 草薙幸二郎
中北次郎 / 浜田光夫
松木勘太 / 内田良平
高塚久 / 高品格
加藤潜水艦長 / 芦田伸介

製作国: 日本
配給: 日活


あらすじとコメント

石原裕次郎主演による戦争映画。悲惨さではなく、英雄の活躍として力強く描いたアクション巨編。

南太平洋、ソロモン諸島

1943年、日本軍はガダルカナルから撤退し、劣勢に回っていた時期。

諸島内の小さなバルテ島に駐留する日本海軍分遣隊基地があった。そこに新隊長として谷村中尉(石原裕次郎)が着任してきた。しかしその島は軍人というよりも、ならず者の巣窟のような場所で、上官暴行罪で士官から格下げになった八雲飛行兵曹(二谷英明)が一応指揮を執っていた。

どこか忘れ去れたような島でもあり、初老の海野技術隊長(大阪志郎)ら設営隊二十六名も駐留しているが、戦争であることを忘れている風情。

それでも侵攻を強めるアメリカ軍はいずれこの島にもやってくると鼓舞する谷村だが、どこ吹く風というか反抗する始末。

そんな時、意識を失ったまま筏に乗った平岩奈美(渡辺美佐子)が流されてきた。

色めく男どもだが・・・

孤立する軍人らを描く戦争アクション。

取り残され忘れ去られた態からか、士気が低下した日本軍人しかいない島。

ゼロ戦で格好良く着任してきた主人公にいきなり威嚇射撃を加えるような輩たち。

一応の海軍基地ではあるが飛行可能なゼロ戦は計三機のみ。何とか立て直そうとする主人公だが、そこに陰のある若い女性と捕虜にした米軍中尉まで加わってきて、いよいよ戦闘が激化していく展開。

とても分かりやすい設定で、当然、主人公の努力により皆が一丸となっていく筋運びだが、何せ結果は負け戦と誰もが知っている。

とはいっても時間の経過により大規模攻撃が行われ、かなり戦死者もでてくるが、全滅という悲惨さには帰結しないのも『日活』という映画会社らしさを感じる。

それでもならず者ばかりのおよそ軍人らしくないキャラクター群は東宝の「独立愚連隊」(1959)の影響を色濃く感じる。

それに当然、実物のゼロ戦は存在しないので、本作ではアメリカのロッキード社AT−6テキサン練習機をゼロ戦使用に塗装し、ロケは鹿児島県種子島で行われた。

一応、滑走路や施設等のセットを組み、大掛かりな弾着によるアクション、模型による特撮なども散りばめられ、それなりの迫力はある。

キャスト陣も後に石原プロがTV製作に乗り出した後にも起用され続けた、当時の日活系脇役が大挙出演しており、何とも懐かしい。

戦争映画だけに爽快感はないものの、義理と人情に厚い男たちの立振る舞いは任侠映画にも通じるものがあり、単純に声援を送りたくなる人もいるだろう。

監督は本作の8年後に降板させられた黒澤明の代わりに東映の深作欣二と「トラ・トラ・トラ」(1970)で日本軍側を撮る舛田利雄。

石原裕次郎と何本も組んでいる手堅い印象の監督でもあり、本作でもその実力は感じられる。

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