パリで一緒に – PARIS – WHEN IT SIZZLES(1963年)

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スタッフ
監督:リチャード・クワイン
製作:R・クワイン、ジョージ・アクセルロッド
脚本:ジョージ・アクセルロッド
撮影:チャールズ・ラング
音楽:ネルソン・リドル

キャスト
ベンソン / ウィリアム・ホールデン
ガブリエル / オードリー・ヘップバーン
ジレー警部 / グレゴワール・アルスラン
マイヤハイム / ノエル・カワード
フィリップ / トニー・カーティス
フランソワ / レイモン・ブッセール
ホテルのボーイ / クリスチャン・デュヴァロア
マーレーネ・デートリッヒ / 彼女自身
仮面舞踏会の男 / メル・ファーラー

日本公開: 1964年
製作国: アメリカ パラマウント作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

脚本家が新作のアイディアを練るが、脱線していく。しかも、内容の舞台はパリ。何のことはない、前回の「アンリエットの巴里祭」(1954)のリメイク作。

フランス、パリアメリカの脚本家ベンソン(ウィリアム・ホールデン)は、19週間も高級ホテルの一室で新作「エッフェル塔を盗んだ娘」という新作映画の脚本作業に取り掛かっていた。

とはいっても、酒浸りの日々で、一行も書いていない始末。製作者のマイヤハイム(ノエル・カワード)には、ほぼ完成と嘘までついてた。ところが、マイヤハイムは、彼の性格など承知の上で、三日後にパリまで出向くから、脚本を完成させておくようにと厳命された。

さて、大変とばかり、ベンソンはタイピストを召集。白羽の矢が立ったのはパリ在住10年目のガブリエル(オードリー・ヘップバーン)。

彼女が来てみると、思いの他、彼の適当な態度が鼻について・・・

アメリカ映画らしいパリの描き方で進行するラブ・コメディ。

調子が乗らないからと酒浸りで毎日を無為に過ごしている中年脚本家。タイピストとして雇われたのは、恋人もいる自称「パリジェンヌ」だ。

この二人が、たった三日で200ページにも及ぶ映画脚本を仕上げようとする。

本作は「アンリエットの巴里祭」(1954)のリメイクであるので、どのように奪胎換骨してあるのかを楽しむ作品でもある。

オリジナルは脚本家二名による漫才的掛け合いで、「映画作品」の中の「映画表現」であったが本作では脚本家はひとりであり、タイピストにもう一人分を兼ねさせるというスタイル。

内容はラブ・ロマンス、コメディ、アクション、サスペンスと盛りだくさんの如何にものハリウッド映画スタイル。

しかも、想像上の映画の中では、ホールデンとヘップバーン自身が演じるから、ちとややこしい。

否や、現実でも想像上の映画進行でも同じだから、現実の本人同士が、オイオイという進行を見せていく。

そこには男性有名脚本家が君主で、口説きたい女性に、どのようにアプローチしていけば、映画化も、本人も、更に、観客も「その気」にさせられるであろうかという視線を感じた。

更に、大スター二人の共演の他に、マレーネ・ディートリッヒをほんのワンカット出演させたり、登場もさせなくフランク・シナトラやフレッド・アステアに劇中歌を歌わせる、変なところでの豪華版。

極め付けは二枚目俳優トニー・カーティスに、何ともおかしな役を振り当て、しかもタイトルにも名前がでないという楽屋落ち。

他にも本人ではないが、そっくりさんとして戦前の大人気俳優チャップリン、マルクス兄弟、アル・ジョルスンなども花を添える意味で登場させてくる念の入れよう。

で、出来栄えはというと、そこはいかにもアメリカ製ラブ・コメディ。つまり、オリジナルである「アンリエットの巴里祭」と比較しては、いけないのである。

尤も、オリジナルを見ていない観客には、それなりに楽しめるだろう。

パリの街の切り取り方、写し方はアメリカ人が憧れるパリであり、観光名所も、いかにもの場所ばかり。

それでも、主役二人の魅力で見せきってしまうのだから大したもの。

だが、尻つぼみになってしまうのが難点でもある、往年のやっぱりな的アメリカ製ラブ・コメディ。

余談雑談 2018年2月24日
店番の日常である。その実家近くにあるブラジル料理屋。ブッフェ形式で、平日は100グラム180円なので、たまに行く。 その店が、最近やたらと混むようになった。11時半開店で、母に店番を頼み、口開けで行き、20分と掛からずに帰ってくるのがパター