スタッフ
監督:キング・ヴィダー
製作:ハント・ストロンバーグ
脚本:ローレンス・スターリングス
撮影:シドニー・ワグナー、W・V・スコール
音楽:ハーバート・ストサート
キャスト
ロジャース少佐 / スペンサー・トレーシー
タウン / ロバート・ヤング
マリナー / ウォルター・ブレナン
エリザベス / ルース・ハッセイ
ハフ / ナット・ペンドルトン
アンハースト卿 / ラムスデン・ヘアー
ブラウニー / ルイス・ヘクター
マクノット軍曹 / ロバート・バラット
オーヴリィ / ダグラス・ウォルトン
日本公開: 1951年
製作国: キング・ヴィダー・プロ作品
配給: セントラル
あらすじとコメント
今回もアメリカからカナダが舞台の作品にする。アメリカ独立以前の18世紀半ばを過ぎた時期の話でイギリスとフランス、そして先住民が絡む戦争冒険活劇。
北米大陸、メイン州
ハーバード大学に進学していたタウン(ロバート・ヤング)は学長を風刺した漫画を描いて退学になり、故郷へ戻ってきた。家族は嘆くが自分は絵描きになりたいと言ったから更にややこしくなってしまう。
そんな彼には婚約者がいたが、次第を知った彼女の父親から猛反対されてしまう。自分の夢をけなされて面白くないタウンは酒に酔い、酒場でその地の植民地監察官の悪口を言いだした。隣の個室でそれを聞いていた本人に見つかり逮捕されそうになってしまう。このままでは八方塞がりとばかりに、気の良い仲間マリナー(ウォルター・ブレナン)と連れ立ってカナダへ逃亡を図った。
途中、二人に妙な気配を感じ取ったレンジャー部隊のロジャース少佐(スペンサー・トレーシー)に声を掛けられ・・・
敵陣深くに潜入する部隊の活躍を描く冒険活劇。
夢見る青年とトボケた性格の年長の友人が、ひょんなことからレンジャー隊に編入され、想像を絶する強行軍で任務を遂行することになる。
アメリカ独立前のことであり、イギリスの植民地下の時代。その未開の北米大陸に興味を持ったフランスがカナダの一部に入植し、先住民をも巻き込んで英仏間で局地戦が行われていた。
本作ではあくまでイギリス側が正義というスタンスで進行する。
攻撃目標はオンタリオ方面の先住民集落。西部劇よろしく開拓農民を襲撃し全滅させた恨みを晴らすのが目的で、レンジャー隊は情け容赦なく返り討ちにすると思い知らしめる目的もある。
しかし軍上層部は無謀すぎる作戦とばかりに成功を微塵も信じてない。それを意志強固の隊長が、あくまで精神論で遂行していく展開。
当初は部隊総勢200名が手漕ぎボートで夜間進行。敵のフランスが待ち構えている可能性もあり、今度は船を陸揚げし、そのまま山越え。
結果、奇襲攻撃は成功するが今度は敵に見つからないよう迂回しつつ味方の砦まで行かなければならない。
以降は激流を手繋ぎで渡河したり、湿地帯を何日もかけ踏破する強行軍が待ち受ける。その上、食料もなくなるのだ。
18世紀半ばという時代であれば致し方ないことであろう。内容も単純明快で正調西部劇に似ている。
白人の入植者が犠牲になれば軍が動く。即、戦闘での勝敗をつける。本作でも先住民を「インディアン」と呼称し頭の皮を剥ぐ野蛮人として描かれる。ゆえに全滅させるのが正義であり、それにより以後、反抗せずに黙って屈服させようという意図がはっきりと存在している。
本作が製作されたのが1940年で、第二次大戦にアメリカが参戦していない時期。タイトルにもある『北西への道』とは、北米大陸を南下し、やがて海を渡り「日本」まで続く道を指す。
まるでどこかの国が21世紀に入って経済圏を拡充させようとしたことを連想させる。
しかし、当の本人たちはそれこそが夢であり、そのためには艱難辛苦は付きものだとばかりに相手を殺戮し、自分らが深手を負っても前進する。
映画自体、正調派で鷹揚な作劇であり、作戦そのものや君主型隊長が民主的行動に追従するといったむず痒い内容もある。脇役の青年が、何だか気合と魔法で成長していくのも首を横に振りながら笑ってしまう。
脇役のキャラ設定もありがちではある。それでもオーソドックスな冒険活劇としてみれば、それなりに壮大なスケールで進行する作品である。



